[2017_07_15_02]<福島第1>トリチウム海洋放出 県漁連抗議へ(河北新報2017年7月15日)
 
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<福島第1>トリチウム海洋放出 県漁連抗議へ

 東京電力福島第1原発でたまり続ける放射性物質「トリチウム」を含む水の処分方法を巡り、東電ホールディングス(HD)の川村隆会長が「(海洋放出の)判断はもうしている」と発言した問題で、福島県漁連は14日、発言の撤回を求め川村会長に抗議文を出す方針を決めた。
 抗議文では「県民に大きな不安を与え、試験操業に大きな影響を及ぼしかねない」と批判。トリチウム水の海洋放出に断固反対すると改めて表明した。
 県漁連の野崎哲会長は取材に、東電はトリチウム水を構内のタンクで貯留すると約束してきたとの認識を強調。有識者による国の小委員会が処分方法を審議中であることに触れ、「ずいぶん唐突な話だ。汚染水対策に協力してきた漁業者が反発するのは必至だ」と非難した。
 「科学的に海洋放出は問題ない」とする原子力規制委員会の田中俊一委員長と「同じ意見だ」との川村会長の発言には「東電のトップがある種の予断を持っているということであり、不安を覚える」と述べた。
 東電は14日、川村会長の発言について「トリチウムの海洋放出は環境影響や現行の規制・基準に照らして問題ないという判断を従前よりしているという趣旨だった」と釈明した。
 福島県庁で記者会見した東電の担当者は「(海洋放出を)社として判断したわけではない」と述べ、「誤解を招く表現で申し訳ない」と謝罪した。川村会長が自ら弁明する機会などを設ける予定は今のところないという。

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