[2016_12_26_01]凍土壁、全面運用議論へ=想定効果出ないまま−福島第1(時事ドットコム2016年12月26日)
 
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凍土壁、全面運用議論へ=想定効果出ないまま−福島第1

 東京電力福島第1原発で放射能汚染水の増加抑制策として東電と政府が運用する「凍土遮水壁」について、原子力規制委員会の検討会は26日、今後、全面凍結に向けた議論を行う方針を示した。想定されていたほどの効果は出ていないものの、全面凍結により懸念されていた建屋内の汚染水漏出の危険性は低いと判断した。
 凍土遮水壁は、1〜4号機建屋を囲む地中に打ち込んだ凍結管で地中の温度を下げて氷の壁を作り、汚染水の増加要因となっている地下水の流量減少を目指す対策。現在、海側で全面凍結の運用をし、山側でも大部分を冷却している。
 東電は遮水壁により、海側でくみ上げる地下水が1日70トンに減ると説明してきたが、降雨が少ない現在でも同130トン程度のくみ上げ量がある。規制委は、効果が出ると地下水の水位が下がり、建屋内の汚染水の水位の方が高くなって漏れ出すことを懸念していたが、東電が主張するほどの効果はなく、漏出の恐れは小さいとみている。(2016/12/26-14:32)

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