[2014_05_12_01]舗装で雨水浸透防止 福島第1 汚染水新たな対策(東奥日報2014年5月12日)
 
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 東京電力福島第1原発の汚染水対策として、政府の汚染水処理対策委員会は、敷地の広範囲を舗装して地下への雨水の浸透を防ぐ新たな対策をまとめた。対策委は汚染水の増加量が将来的に半減すると試算しているが、効果が表れるまでは長い時間がかかりそうだ。
 第1原発では、建屋に流れ込む地下水が汚染水増加の原因になっている。対策委は建屋周囲の地盤を凍らせて地下水の侵入を防ぐ「凍土遮水壁」の導入を決めたが、過去に例のない大規模工事で期待通りの効果が得られないことも措定し、追加対策を検討していた。
 対策委が地下水の流れを解析した結果、建屋に流れ込む地下水は主に敷地内に降った雨が染みこんだものだった。
 このため1〜4号機側の大部分を占める約1.45平方キロをアスファルトなどで舗装し、雨水の浸透を防ぐ。費用は数10億円で凍土壁の10分の1程度。来年春までには大部分の舗装を終える計画という。
 建屋には1日約400トンの地下水が流れ込んでいるとみられるが、敷地舗装で約170トンまで減る見込む。
 ただ効果がでるまでには時間がかかる。試算では流入量を100トン減らすのに2年、200トン減らすには9年かかる。現在準備中の地下水バイパスと組み合わせれば、それぞれ半年、3年半に短縮できるとしている。
 一方で、地上タンクから汚染水が漏れるトラブルが起きた場合、周辺の土壌に染みこまず、舗装面を伝って海に流出する恐れもある。タンクを囲むせき同士を配管でつないで漏えいを防ぐなどの対策を検討する。
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