【記事62280】常陸大宮「東海第二」避難計画案説明会 参加者から不満や疑問(東京新聞2017年11月16日)
 
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常陸大宮「東海第二」避難計画案説明会 参加者から不満や疑問

 日本原子力発電東海第二原発(東海村)から放射能が漏れる大きな事故に備え、原発三十キロ圏に大部分が含まれる常陸大宮市は、山間部の御前山地区で、避難計画案の住民説明会を開いた。参加者からは「避難先が遠い」「再稼働しなければ、計画は必要ない」といった不満の声が挙がった。 (山下葉月)
 原発から三十キロ圏の自治体には、避難計画の策定が義務付けられる。市は来年三月までに計画を完成させる予定で、住民の意見を反映させるため、説明会を開いている。 現状の計画案によると、三十キロ圏で生活するのは市人口の約九割に当たる約三万六千六百人。ほとんどがマイカーを使い、国道118号などを通り、栃木県の七市町にある約百カ所の避難所へ向かうことになっている。最も遠い那須町までは約六十四キロ離れている。
 十四日夜にあった説明会では、質疑の中で、参加者の一人が、風向き次第で放射能被害が変わることに触れ、「三十キロで線引きをせず、全市民を対象に避難計画を作るべきでは」と質問。これに対し、市の担当者は「現段階では、全市民の避難は考えていない。(三十キロ圏外は)屋内退避など、必要な防護措置をとってもらう」と答えた。
 このほか、別の住民から「別の避難ルートは作らないのか」「再稼働がなければ、このような計画を作る必要はないのではないか」といった疑問が投げ掛けられた。
 参加者は四人で空席が目立ち、出席した男性会社員(59)は「思った以上に少ない。ホームページなどで資料を掲載し、住民の手に取れるようにしたほうがいい」と指摘した。
 市によると、この日を含め計三回の説明会を開き、参加者は約五十人とやや少なめ。担当者は「もう少し広報すべきだった」と話した。説明会は今後、十六、二十一、二十三日に計三回開かれる。

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