【記事65404】十和田火山 ハザードマップ、火砕流30キロ先到達(毎日新聞2018年1月24日)
 
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十和田火山 ハザードマップ、火砕流30キロ先到達

 青森、秋田両県などでつくる「十和田火山防災協議会」は24日、両県境にある十和田火山で噴火が起きた場合に、災害が発生する可能性が高い範囲を示した想定図(ハザードマップ)を初めて公表した。大規模噴火では、噴石や降灰だけでなく、火砕流が噴火口から最長で30キロ先まで到達するなど、北東北3県で数十万人の避難者が発生する恐れがあるという。同協議会は今後、「噴火警戒レベル」導入や避難計画策定に取り組む。
 協議会は、十和田湖に半径3.4キロの噴火口を設定。大、中、小の三つの規模の噴火を想定し、過去1万1000年間の噴火を参考に、影響範囲を規模別に推定した。
 大規模噴火の場合、火砕流や火砕サージ(火山灰や火山ガスが混じった高温の熱風)が火口から最長30キロ離れた青森市や秋田県大館市、岩手県二戸市など17市町村に到達すると予想した。
 さらに積雪期には、火砕流などの熱で雪が解けて大量の水になり、岩石や倒木とともに川や谷に沿って流れ下る「融雪型火山泥流」が発生し、青森県八戸市や秋田県能代市の海岸部を含めた他の13市町村にも被害が拡大する恐れがあるという。
 このほか、原発関連施設が集中する青森県下北半島を含む北東北の広い範囲で、火山灰や軽石が10〜100センチ降り積もる可能性があるという。
 マップ作製に関わった林信太郎・秋田大教授(火山地質学)は「十和田火山は1000年以内には噴火すると思っているが、近い将来の可能性もあるので、いざという時に備えておかないと大変な被害が出る」と話した。【一宮俊介】

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