[2012_02_01_01]気象庁の津波警報第一報 M8超地震で「巨大」 検討会が表現改善案提言(東奥日報2012年2月1日)
 東日本大震災を教訓に、津波警報の改善策を協議していた気象庁の検討会(座長、阿部勝征東大名誉教授)が31日、最終案をまとめ同庁に提言した。マグニチュード(M)8超の巨大地震では、第1報は津波の高さ予想を出さずに「巨大」などと表現、迅速な避難を促すなどの内容で、気象庁は今年中に改善した警報の運用を始める予定。
 提言によると、M8超の巨大地震の場合、現在の技術では発生直後に正確な津波の高さを予測するのは困難と判断。地震発生から3分以内に発表する警報の第1報は津波の高さ予想を出さずに「巨大」「高い」と表現。
 「東日本大震災クラス」といった顕著な過去の事例や「壊滅的な被害の恐れ」などの表現を盛り込み、「直ちに高台など安全な場所に避難」と呼び掛ける。
 「3メートルで住宅の流失や全壊が見られ、5〜6メートルで急増する」との震災の被害調査に基づき、予想される津波の高さが1メートルの場合は津波注意報、3メートルで津波警報、5メートル以上で大津波警報と規定。
 津波の第1波が観測された際は、最大波と誤解されないよう到達時刻と押し披か引き波かだけを発表。第2波以降も「観測中」とし、具体的な観測値は避難の妨げにならないと判断できた後に公表する。
 第2報以降は断層運動から地震の規模を精査し、津波の高さ予想を発表。高さの区分は現行の「50センチから「10メートル以上」の8段階を、「1メートル(予想される津波20センチ以上1メートル以下)」から「10メートル超」の5段階に簡素化する。
 大震災では、第1報が「岩手−福島で津波3〜6メートル」と予想が過小で、避難の遅れにつながったとされる。阿部座長は記者会見で「大きな反省点。津波は避難すれば助かる。直ちに避難を呼び掛けることが大事」と述べた。
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