[2018_01_17_03]「家賃賠償」4月に新制度 公的な枠組みで避難住民への支援策(福島民友2018年1月17日)
 
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「家賃賠償」4月に新制度 公的な枠組みで避難住民への支援策

 東京電力福島第1原発事故で避難指示を受け、家賃の賠償が3月末で打ち切られる住民に対する賠償制度に代わり、政府と東電が新たな支援制度を創設することで合意したことが16日、分かった。必要経費と賠償手続きに関わる人員は事故の責任者の東電が負担するが、支援を公的な枠組みとするため家賃を支払う主体は県になる方向で調整している。17日にも正式発表する。
 新制度は、家賃賠償が適用されている人を対象とし、南相馬、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘、川俣8市町村の約7000世帯に上る。
 制度の詳細は決まっていないが、国は被災者の生活再建策と組み合わせた枠組みについて県と協議、2月中には制度設計を固めたい意向だ。県が東電から財政、人的な支援を受けて4月には運用を始め、制度の切り替えで避難者の生活に支障が出ないようにする。
 県は原発事故後、災害救助法に基づき、避難指示が出た地域から県内外に避難した住民に対し、仮設住宅(「みなし仮設」の民間賃貸住宅を含む)を無償提供してきた。
 一方、東電は仮設住宅を退去した後など、県の枠組みとは異なる形で住居を確保した人を対象に、家賃賠償として必要経費を全額負担する仕組みを創設。住宅の無償提供は県と東電の二つの枠組みが併存し、別々に運用されてきた。
 県の無償提供は当初、今年3月で終了する予定だったが、県は昨年8月、楢葉町を除く9市町村で2019年3月まで延長することを決定。
 東電の家賃賠償が今年3月で打ち切られると、同じ避難指示が出た住民の間で支援の格差が生じることから、県や被災自治体が支援体制の枠組みの構築を求めていた。
 家賃賠償の打ち切りを巡っては、県などから要請を受けた自民党東日本大震災復興加速化本部が調停に乗り出し、昨年12月に小早川智明東電社長を党本部に呼び、年明け早々の解決策の提示を促していた。

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