[2018_03_26_02]九電、電気料金据え置きへ 再稼働で利用者の期待高まるも…値下げには慎重な姿勢(西日本新聞2018年3月26日)
 
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九電、電気料金据え置きへ 再稼働で利用者の期待高まるも…値下げには慎重な姿勢

 玄海原発3号機の再稼働で、九州電力は電力の供給力が安定、燃料費削減も進み、経営立て直しに向けて前進する。利用者には電気料金の値下げに期待が高まるが、九電はまず、悪化した財務の改善に注力するとして、当面は料金を据え置く方針だ。
 長期間の原発停止によって火力発電の燃料費負担が増し、九電の財務は大幅に悪化。2012年3月期から4年連続で最終赤字を計上した。13年には、家庭向けを平均6・23%値上げするなど33年ぶりの電気料金引き上げを行い、家庭や企業の負担が増した。
 九電によると玄海3、4号機が動くと1基あたり1カ月45億円の燃料費負担が減るという。
 ただ、現在の電気料金は川内原発1、2号機と玄海3、4号機の早期再稼働を見込んで設定。関西電力や北海道電力が福島事故後に2回値上げしたのに対し、九電は1回にとどめており「全国的に見ても安い」(瓜生道明社長)として料金値下げに慎重な姿勢を崩さない。
 さらに神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の影響で玄海3、4号機の再稼働が2カ月遅れたため、九電は約150億円の収支改善効果を失った格好。修繕費の縮減などで穴埋めしており、再稼働による財務基盤強化を目指す。
 一方で、原発は訴訟や他の原発事故の影響で運転停止を余儀なくされる恐れがあり、「常にリスクを抱えながら動かす」(九電幹部)状態。再稼働でどこまで経営改善が進むかは見通せない面もある。

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