[2019_01_29_03]規制委 追加の審査会合終結 六ケ所再処理「合格」へ作業加速(東奥日報2019年1月29日)
 
 安全審査が終盤を迎えている日本原燃・六ヶ所再処理工場に関し、原子力規制委員会は28日、東京都内で、昨年12月に引き続き追加の審査会合を開いた。原燃側は、重大事故「蒸発乾固」の対策について追加説明。事務局の審査チームは了承の姿勢を示し、原燃側に最終となる補正申請書の提出を求めた。これで追加の審査会合が終結し、事実上の合格証である「審査書案」の作成が加速する見通しとなった。
 再処理工場の安全審査を巡っては、昨年9月までに全ての審査会合が終結。規制委事務局の原子力規制庁が審査書案の作成を進めていたが、重大事故対策などで確認事項が生じた−として、12月から再び審査会合を開いていた。
 蒸発乾固は、放射性物質の熱でタンク内の廃液などが沸騰し蒸発する現象で、大地震など緊急時に最優先で対処する重大事故に当たる。28日、原燃側は乾燥・固化した後に起こり得る「放射性物質の揮発」などの可能性を挙げた上で、安全対策について説明した。
 審査チームから異論は出ず、審査会合は終了。合格の前提となる補正申請書の提出時期に関し、原燃の越智英治執行役員は「できるだけ速やかにとは思うが、不適合が今回はないように、最終のものとして出したい」とし明言を避けた。
 規制庁は、原燃側が示した重大事故対策の説明に関し「(妥当性を)判断するのは規制委」(審査チーム)との見解。審査書案を取りまとめる前の段階で判断をあおぐなど、規制委との調整が必要との見方もあるという。 (佐々木大輔)
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