[2019_03_09_01]除染土使用に反発「安全なら五輪に」 福島・常磐道の沿線住民(毎日新聞2019年3月9日)
 
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除染土使用に反発「安全なら五輪に」 福島・常磐道の沿線住民

 除染で出た汚染土を南相馬市小高区の常磐自動車道の盛り土に使う計画について、環境省は7日夜、計画地周辺の自治会長を対象とした説明会を開催した。環境省が住民を対象に、計画について説明したのは初めて。住民側からは「当初の約束と違う」「風評被害につながる」などと反対の声が相次いだ。
 環境省の説明では、常磐自動車道の拡幅工事に伴い、小高区羽倉の4車線が2車線に切り替わる地点で盛り土に汚染土を使用。土壌は異物を取り除くなどの処理をして使用し、平均放射性物質濃度は1キロ当たり771ベクレル。
 説明会には計画地を含む小高西部地区の10行政区長らが出席。出席者によると「土壌の中間貯蔵施設での保管が除染の前提だった」「安全なら東京五輪の工事に使えばいい」など、原発事故による負担が集中することへの反発が多かった。また「若い人が戻ってこようとしているときに、なぜあえて汚れた土を持ってくるのか」など、復興への影響を懸念する声も少なくないという。
 環境省は当初、来年度当初にも盛り土工事を終える計画だったが、担当者は「今日説明した状況で、このまま進めることはありえない。4車線化の工期に影響しない間に判断したい」として、継続して住民に働きかける考えを示した。【高橋隆輔】

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