[2019_04_14_01]日奈久断層帯、依然ひずみ 九大など調査(熊本日日新聞2019年4月14日)
 
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日奈久断層帯、依然ひずみ 九大など調査

 マグニチュード(M)6・5と7・3の地震が連続した熊本地震の震源域のうち、日奈久断層帯の高野−白旗区間では地震による断層崩壊が一部にとどまり、依然としてひずみエネルギーをため込んだ状態にあることが九州大などの調査で分かってきた。同大は「M6・5〜7近くの地震がいつ起きてもおかしくない」と警戒を呼びかけている。
 文部科学省の委託調査で、九州大地震火山観測研究センターが中心となって、2016年度から3年間、日奈久断層帯と布田川断層帯の周辺で実施。両断層帯の現状や過去の活動を解明することを目的に、溝(トレンチ)を掘って地層を確認する調査や音波で地下の状態を確かめる調査などを進めてきた。
 調査を主導した九州大教授の清水洋センター長によると、日奈久断層帯のうち熊本地震で動いたのは高野−白旗区間。ただ、周期的な大地震に数えない規模の断層崩壊にとどまっており、ひずみが残っていることが分かった。今回の地震は頻繁に起こる断層崩壊の一つで、熊本地震クラスの地震はあす起きる可能性もある。日奈久、八代海の両区間が連動して動けば、M7・5〜8級の大地震となる恐れがあるという。
 一方、布田川断層帯の布田川区間ではひずみを完全に解消したが、活動は従来予測よりも高頻度であることも分かった。同区間ではこれまで大地震の発生は数千年に1度の割合と考えられていたが、今回の調査で1万2800年前から少なくとも5回の大地震を確認。2500年に一度という、より高い頻度で起きていた。
 さらに、熊本県平野部の震度予測が過小評価されていることも判明。八代など平野部の地盤データを収集し、高精度のコンピューターシミュレーションの結果、従来の震度予測を上回る揺れが予想されるという。河川の氾濫から生まれた平野部の地盤が想定よりも軟らかいためだ。
 詳細を今夏にもまとめ、熊本市でも報告会を開催する予定。清水センター長は「こうした調査で得られた知見をもとに、行政は新たな防災対策を考える必要がある」と指摘している。(松本敦)

 ◆布田川断層帯 南阿蘇村立野付近から上天草市に至る約66キロ。布田川区間(南阿蘇村−益城町)、宇土区間(益城町−宇土市中心部)、宇土半島北岸区間(宇土市住吉町−上天草市)の3区間。
 ◆日奈久断層帯 益城町から水俣市西方沖の約86キロ。高野−白旗区間(益城町−宇城市豊野町)、日奈久区間(宇城市豊野町−芦北町)、八代海区間(芦北町−八代海南部)の3区間。

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