[2019_05_17_02]麻生泰氏、九経連会長続投 慣例「3期6年」超え 背景に九電の支持(毎日新聞2019年5月17日)
 
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麻生泰氏、九経連会長続投 慣例「3期6年」超え 背景に九電の支持

 九州経済連合会の麻生泰(ゆたか)会長が4期目に入ることが内定した。続投の背景には、九経連を実質的に仕切る九州電力の支持があったとの見方が強い。麻生氏は近年の慣例だった「3期6年」を超えて会長を務めることになり、取り組みへの明確な成果が求められる。
 「こちらから就任をお願いした以上、本人が『やりたい』と言う限りはやってもらうのが筋だ」。ある九電幹部は、麻生氏続投について、本人の意欲を尊重する考えを示した。
 そもそも財界活動には会長を支える専任スタッフが十数人単位で必要で、実質的に「財政に余裕のある九電からしか会長を選べない」(九経連関係者)という事情がある。このため、麻生氏以外の歴代会長はすべて九電出身だった。
 麻生氏が就任した2013年当時、九電は「やらせメール」問題のダメージに加え、業績も悪化したため、九電出身者以外に会長を任せようとした。だが人選が難航し、ようやく麻生氏に引き受けてもらった経緯がある。このため、現在でも専任スタッフの大半が九電関係者だという。
 九電はその後、管内の原発を相次いで再稼働させ、経営が安定した。一時は「九経連の会長職も九電出身者に戻るのでは」という観測も出たが、麻生氏の意欲が強く、続投でまとまった。
 3期6年の麻生氏の仕事ぶりについては「事業計画に数値目標を入れるなど発想が民間経営者らしい」との声がある一方、「慎重さに欠ける」との見方もあり、評価は分かれる。麻生氏は1期目の15年3月に策定した中長期事業計画で、12年に約350億円だった農水産物の輸出額を20年に約1000億円、13年に126万人だった外国人観光客を23年に786万人にまで伸ばす野心的な目標を掲げる。残り2年でこうした目標にどれだけ近づけるのか。その手腕が注目される。【高橋慶浩、久野洋】

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