[2019_05_24_03]テロ対策施設 完成時期明かさず 決算会見で原電社長「経営環境厳しく」(東京新聞2019年5月24日)
 
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テロ対策施設 完成時期明かさず 決算会見で原電社長「経営環境厳しく」

 東海村の東海第二原発を運営する日本原子力発電(原電)の村松衛社長は二十三日、都内で会見し、テロなどに対応するために設置が義務付けられている特定重大事故等対処施設(特重)について「設備の仕様を検討している段階」と述べ、完成時期や工事費用を明らかにしなかった。
 特重を巡っては、九州電力や関西電力などが、工事認可から五年以内とされた設置期限を延長するよう求めたが、原子力規制委員会は認めない考えを示し、完成まで原子炉を停止させることが現実味を帯びている。東海第二を再稼働させる場合、二〇二三年十月までに完成させる必要がある。ただ、原電は規制委に特重の審査の申請すらできていない。
 特重の工事費用について、東海第二は一千億円規模にもなると見込まれ、調達について村松社長は売電先の東京電力と東北電力と協議することになると説明。ただ、金額の見積もりは「(話が)そこまで進んでいない」と繰り返した。また、期限までに設置できず、運転期間が短くなる可能性を問われると、「回答は控える」とかわした。
 この日に発表された一九年三月期決算で、売電先の電力五社からの基本料金収入を含む売上高が千百三十三億三千七百万円で、前期比1・2%の減収。当期純利益は三十三億三千三百万円で、前期比で約六億五千万円の増益だった。村松社長は、今後は基本料金収入が減少し、さらに経営環境が厳しくなるとの見方を示した。 (越田普之)
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