[2019_06_11_02]「原発の再稼働やめて」 京大研究所の今中さん、白浜(紀伊民報2019年6月11日)
 
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「原発の再稼働やめて」 京大研究所の今中さん、白浜

 京都大学複合原子力科学研究所研究員で元助教、今中哲二さんの講演会が8日、和歌山県白浜町栄の富田農業研修会館であった。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故を研究し、福島の原発事故も調査中の今中さんは「原発再稼働はやめるべきだ。そもそもこんなに造ったのが間違い」と訴えた。
 講演は、脱原発などを掲げる住民団体「核のゴミはいらん白浜の会」「核のゴミはいらん日置川の会」「脱原発わかやま」が企画した。約100人が来場した。
 今中さんによると、広島、長崎の原爆では約1キロのウランやプルトニウムが核分裂を起こした。100万キロワットの原発では1日に約3キロ、年間で約千キロのウランが核分裂を起こす。
 原発の安全対策は放射能をいかに閉じ込めるかが問われるが、チェルノブイリでは核分裂の制御に失敗。本州の約6割に相当する面積が放射能汚染され、福井県と京都府、大阪府を合計した面積相当が移住対象地域となった。
 今中さんは「日本のエネルギー需要は原発なしでも充足している。事故が起きたら周り30キロで人が住めなくなるようなものを使って電気を作る必要はない。何が本当に大事かもう一度考えてみて」と呼び掛けた。

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