[2021_01_22_10]国責任「非常に甘い認定」 避難者訴訟、仙台高裁と結論正反対(福島民友2021年1月22日)
 
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国責任「非常に甘い認定」 避難者訴訟、仙台高裁と結論正反対

 東京電力福島第1原発事故を巡る避難者訴訟で、国の責任を否定した21日の東京高裁判決。「(国の対応は)著しく合理性を欠くとは認められない」。先行した仙台高裁判決とは正反対の結論に原告からは「不当判決だ」と怒りの声が上がった。
 「一審国の敗訴を取り消す」。21日午後2時10分。東京高裁の足立哲裁判長の主文言い渡しは10分で終わり、傍聴席からはため息が漏れた。東京高裁前では報道陣が集まる中、「不当判決」と旗が掲げられた。
 裁判の焦点となったのは、大津波発生の可能性を指摘した2002年の「長期評価」。高裁初となった昨年9月の仙台高裁判決は、「国は当局に期待される役割を果たさなかった」とした上で長期評価の信頼性を認定、国の責任を認めていた。
 一転して国の責任を否定した今回の判決に、鈴木克昌弁護団長は「国の責任と東電の落ち度について非常に甘い認定内容。到底容認できない」と酷評。事務局長の関夕三郎弁護士は「高裁判断が分かれた。最高裁に判断を仰ぎたい」と語気を強めた。
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