[2021_03_02_05]「民意」どのように? 全国自治体初 北海道寿都町「核のごみ」文献調査の交付金10億円が盛り込まれた新年度予算案を提出(STVNEWS2021年3月2日)
 
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「民意」どのように? 全国自治体初 北海道寿都町「核のごみ」文献調査の交付金10億円が盛り込まれた新年度予算案を提出

 いわゆる「核のごみ」の最終処分を巡り、国の調査が始まっている寿都町で議会が開会しました。10億円の交付金の使い道のほか、最終調査に進む前に住民投票を行う条例案が提出されました。
 しかし、そのあいまいな内容に疑問の声も上がっています。
 吹雪に見舞われた後志の寿都町。片岡春雄町長が向かうのは、議場です。

(記者)「Q:住民投票条例案提出ですが?」
(寿都町 片岡春雄町長)「(手で反応)」

 2日、開会した寿都町議会。注目は、原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」に関する議題です。
(片岡町長<去年8月>)「この「核のごみ」をテーブルに乗せたい」
 日本でまだ決まっていない、核のごみの最終処分場。
 去年10月、片岡町長は処分場を選ぶための文献調査に応募し、すでに調査は始 まっています。国からの交付金は2年間で最大20億円。新年度予算案には、全国の自治体で初めて、文献調査の交付金10億円が盛り込まれました。

(岡本記者)「文献調査の交付金は、保育園で働く保育士の人件費などにも、充てられるということです」
 10億円の使い道については、保育士や保健師を含めた人件費などの継続事業に充て、残りを新たな基金に積み立てる予定です。
誘致を目指す「洋上風力発電」への活用も模索しています。
 また、片岡町長は最終段階の精密調査に進む際には、住民投票で是非を問う条例案を提出しました。その条文には、こう記されています。
 「町長は、住民投票が有効に成立した場合、その結果を尊重しなければならない」
 つまり、住民の意思は尊重しつつも、最終調査に進むかどうかは片岡町長が判断することになるのです。公平性は保てるのか。町内で飲食店を営む吉野寿彦さんは、疑問を呈します。

(調査に反対の 吉野寿彦さん)「本当にあいまい。『尊重する』という言い方は『決定』ではない。いろいろな言い回しで逃げるんだろうという気がする」
 議会では3日、条例案を審議する特別委員会を開くことを決めました。民意をどのように吸い上げるのかが、マチの未来に影響を与えそうです。
KEY_WORD:寿都町_調査応募検討_: