[2021_03_03_09]東電の旧経営者に損害賠償金を支払わせよう 東電株主代表訴訟で証人尋問 | 津波対策をしなかった経営の責任 いよいよ証人尋問が始まる 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ舎2021年3月3日)
 
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東電の旧経営者に損害賠償金を支払わせよう 東電株主代表訴訟で証人尋問 | 津波対策をしなかった経営の責任 いよいよ証人尋問が始まる 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 2月26日(金)、原告申請の専門家証人3人の主尋問が行われた。
10時〜12時
◎岡村行信氏
 過去に実際に発生した貞観(じょうがん)津波に基づき、大津波の警告を発した専門家として証言されました。
 産業総合研究所や地震調査研究推進本部などで貞観津波などの津波の痕跡等を調査し、東北地方に大きな津波を伴う地震が1000年に一度の頻度で発生してきたこと、そして有史以来最大の津波をもたらした869年の貞観地震・津波から1000年余り経過し、何時再来してもおかしくないことなどを東電にも伝えていました。
 これが正しく対策されていたら、今回のような原発3基のメルトダウンは回避できたのではないかと筆者は思いました。

13時〜17時
◎渡辺敦雄氏 元東芝で福島第一3,5号機や女川、浜岡などの基本設計を担当。
 原発の設計時に想定するのは、地震は10万年まで遡って対策することを求めていますが、津波はわずか10数年しか見ていません。
 福島第一はチリ地震津波への対策として3.11メートルを想定しました。
 しかしこれ以上の津波は過去に何度もありました。
 経営層は、こうした津波の襲来を想定し対策をすべきでしたが、想像力の欠如により実施しなかった。との証言を行いました。

◎後藤政志氏 元東芝で柏崎刈羽3号機、女川、浜岡などの格納容器を設計。
 原発の格納容器はメルトダウン・メルトスルーを想定して設計していません。
 設計基準事故の中に炉心が溶け落ちることは含まれていないのです。せいぜい、配管破断を想定しているだけです。
 津波対策では、想定される計算上の津波の対策として防潮堤を建設することはあり得ません。
 安全率を加えて1.5倍ないし2倍ほどの率をかけるものです。との証言を行いました。

◎次回以降の公判紹介

 4月16日(金)10時〜17時 前回と同じ103号法廷
  ・午前:A証人(原告側主尋問)
  ・午後:渡辺証人(被告側反対尋問)、後藤証人(被告側反対尋問)

 5月27日には武藤栄元副社長、7月6日と7月20日には勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、小森明生元常務が登場します。
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