[2021_03_11_11]福島県内各地で慰霊 東京電力社長は来県せず(テレビユー福島2021年3月11日)
 
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福島県内各地で慰霊 東京電力社長は来県せず

 穏やかな快晴の日となった3月11日の県内。津波で大きな被害を受けた福島県浪江町の請戸地区でも、午後2時46分に合わせ、海に向かって黙とうが捧げられました。 
 福島県郡山市に避難しているる女性「本当に原発事故がなかったら普通に生活できたのになってみなさんよく言いますよね。お金なんかいらないってね、元の生活を返してほしいって。それを多くの人が思っているんじゃないかと思っているんですけど」 
 震災で、県内では、関連死も含めて3920人が亡くなりいまも224人の行方が分かっていません。そして、少なくとも3万5千人以上が避難生活を続けています。また、原発事故の影響で、県内7つの市町村に、帰還困難区域があり、特定復興再生拠点区域の外では、いまだに避難指示解除の見通しが立っていません。 
 県主催の追悼式典には、およそ200人が参列し、黙とうが行われたあと、遺族を代表し福島県南相馬市の田村江久子さんが思いを伝えました。 
 遺族代表・田村江久子さん「最愛の家族を失った遺族の悲しみと悔しさは消えることはなく、この思いを抱えながらも、私たち遺族は前を向いて生きていかなくてはなりません。」 
 また、内堀知事は、「生まれてくる子どもたちにとって誇りに思える福島を創り上げていこう」とあいさつしました。今年の式典は、感染症対策のため、参加者を例年の半分以下にして、行われました。 
 一方、同じ感染症対策でも、こちらは、異例の形となりました。東京電力は、原発事故以降続いてきた、3月11日の社長の福島訪問を今年は取りやめました。小早川智明社長は、東京から、モニター越しで訓示し、「事故を風化させることなく福島への責任を全うしていこう」と述べました。 
 さらに、小早川社長は、例年行われていた報道各社への取材についても、「平等に対応できない」として、応じませんでした。課題が山積する中で、トップが県民への説明に応じなかったことで、事故を起こした当事者としての姿勢が問われる3・11となりました。
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