[2021_03_15_03]原発訴訟、危険性見極めるための議論を 元福井地裁裁判長が講演 島根県松江市(山陰中央新報2021年3月15日)
 
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原発訴訟、危険性見極めるための議論を 元福井地裁裁判長が講演 島根県松江市

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を認めない判決を出した福井地裁の元裁判長・樋口英明氏(68)が14日、島根県松江市内で講演した。原発を巡る訴訟について「誰でも理解でき、議論に加われないといけない」とし、問題の本質である危険性を見極めるよう訴えた。
 樋口氏は、原発差し止めを巡る全国の訴訟で、原子力規制委員会の独立性やその規制基準を満たすかどうかといった専門性の高い議論ばかりとなっている傾向を問題視。「リアリティーがない。原発の真の危険性について審理していない」と強調した。
 実際に東日本大震災で東京電力福島第1原発事故が起きたことなどに触れ「原発の耐震性が高いのか低いのか、そこを議論しないといけない」と述べた。
 樋口氏は三重県在住。福井地裁裁判長だった2014年5月、大飯原発3、4号機の運転差し止めを求めた住民訴訟の判決で、地震対策に構造的欠陥があるとして再稼働を認めなかった。18年7月、名古屋高裁金沢支部が一転して運転を容認する判決を出し、住民側が上告せずに確定した。
 山陰両県の原発やエネルギー問題を考える8団体で構成した実行委員会が主催。160人が聴講した。
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