[2021_03_16_03]東電柏崎刈羽原発でずさんテロ対策次々と発覚 早期再稼働は不可能に(東京新聞2021年3月16日)
 
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東電柏崎刈羽原発でずさんテロ対策次々と発覚 早期再稼働は不可能に

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で2020年3月以降、テロ対策として設置されている構内への侵入を検知する装置の故障により、侵入を把握できない可能性のある状態が30日を超えている場所が複数あったと、原子力規制委員会が16日公表した。故障した装置の復旧に、長期間かかっていたことも判明した。
 規制委は16日非公開の臨時会議を開き、12年の設立以降初めて、この問題をセキュリティー上「最も深刻なレベル」と判断。東電に組織としての見直しを求めることを決めた。
 東電は、事故が起きた福島第一原発の廃炉費用を捻出するため、柏崎刈羽を再稼働させての経営改善を計画している。だが今年に入り、セキュリティー上の問題が次々と発覚している。

◆規制委員長「追加検査に1年以上」

 臨時会議後に記者会見した更田豊志委員長は、今後の追加検査に1年以上かかる見通しを示し、検査が終わるまでは「運転に向けた次のステップに進むことはない」と明言。柏崎刈羽の早期の再稼働は不可能となった。
 東電は、1月27日に侵入検知装置を1カ所誤って損傷させたと、規制委に報告。これを受けて、規制委は検査を進めていた。
 柏崎刈羽原発を巡っては昨年9月、男性社員がIDカードを紛失し、同僚のカードを無断で持ち出して、原発の心臓部である中央制御室に不正入室した問題が起きた。東電は2月、小早川智明社長を厳重注意とし、不正入室した社員を出勤停止30日の懲戒処分にするなどしたばかりだ。今回の問題でも、小早川社長や柏崎刈羽の所長らの厳しい処分は避けられない。
(小野沢健太、福岡範行)
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