[2021_03_19_07]東海第2原発訴訟 避難計画、実効性に課題多く 策定、茨城5市町にとどまる(茨城新聞クロスアイ2021年3月19日)
 
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東海第2原発訴訟 避難計画、実効性に課題多く 策定、茨城5市町にとどまる

 東海第2原発を巡る訴訟で水戸地裁が18日に下した判決は、避難計画の不備に言及した。避難計画は、策定が求められる半径30キロ圏内の茨城県14市町村のうち、5市町がまとめたにとどまり、県が12日に自然災害などの複合災害で当初予定した避難先が使用できない場合の「第2の避難先」の候補地を選定したばかりの現在進行形。避難に必要な車両の確保など「実効性ある計画」に達するための課題は多く残されている。
 県が現行の広域避難計画で定める東海第2の避難対象は、半径30キロ圏内の14市町村に住む約94万人。第1の避難先として、県内の同30キロ圏外と近隣5県の計131市町村を想定しているが、原発の単独事故を前提とした内容にとどまる。
 課題には、複合災害時の避難先やバス・福祉車両の確保、安定ヨウ素剤を緊急配布する人員の確保などがある。
 例えば、移動手段については自家用車で避難できない住民について、バスや福祉車両を確保するため、自治体は交通機関などと協議を進めている。迅速に配車するための指令の整備も問題となっている。
 原発5キロ圏内(PAZ)だけでも、バスが約400〜500台、福祉車両が約800〜千台必要と推計されている。
 策定後も、広報紙などによって県民へ周知することに加え、議会の承認などを経なくてはならない。東日本大震災や東京電力福島第1原発事故から10年にして、各自治体は大きな課題を突き付けられた格好となった。
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