[2021_03_22_04]東海第二運転認めず 水戸地裁歴史的判決 避難計画の不備は94万人の命にかかわり 人格権侵害に当る 判決の背後に東電福島過酷事故の現実と教訓を見る 判決には全原発を止める論理あり これをテコに原発ゼロの歴史へ踏み出そう! 渡辺寿子(たんぽぽ舎ボランティア、原発いらない!ちば)(たんぽぽ舎2021年3月22日)
 
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東海第二運転認めず 水戸地裁歴史的判決 避難計画の不備は94万人の命にかかわり 人格権侵害に当る 判決の背後に東電福島過酷事故の現実と教訓を見る 判決には全原発を止める論理あり これをテコに原発ゼロの歴史へ踏み出そう! 渡辺寿子(たんぽぽ舎ボランティア、原発いらない!ちば)

◎深層防護第5層、避難の不備は人格権の侵害

 首都圏唯一の原発で日本原子力発電(以下原電)が再稼働を目指している東海第二原発(東海村)をめぐり、11都府県の住民ら224人が運転差し止めを求めた訴訟の判決で水戸地裁(裁判長前田英子裁判官)は3月18日、運転を認めない判決を言い渡しました。
 前田英子裁判長は、原発の半径30キロ圏に94万人の人々が暮らすことを踏まえ「実効性のある避難計画や防災体制が整えられているというには程遠い状態で、人格権侵害の具体的危険がある」としました。

◎避難の不備だけで原発停止を命じた、最初であり、歴史的判決である

 河合弘之弁護団長は判決の解説で「深層防護第五層が保障する避難についての部分で不備がある、住民が避難できないという点だけで原告住民を勝たせた。初めての判決であり、歴史的判決である。この判決は市民感覚に基いた誰でもわかりやすい、受け入れやすい判決である。同時に電力も国も原子力ムラも反論しにくいものであり、頭を抱えているのではないか。判決はこれを出した裁判長自身が想定したであろう以上の社会的影響を呼び起こすものである」と述べました。
 この裁判の勝利には、原告団の粘り強い闘いとそれを支えた常総生協が大きく寄与しています。
 河合弁護団長は「常総生協が立ち上がらなかったらこの裁判はなかった。常総生協にお礼申し上げる」と述べました。

◎判決には東電福島事故の被害の現実が影響している

 この判決を導き出した裁判長の胸には東電福島事故の悲惨な現実と教訓があったと思われます。
 原告団共同代表の大石光伸さんの「この判決の背後に、福島の被害者の皆さんがどんな目に遭い、どんな仕打ちを受け、今も受けているか、そのことに思いをいたしていることがある思う。裁判長には福島の被害者たちの、自分たちと同じ目にもう誰にも遭わせたくないとの切なる思いにせめて報いる気持ちがあったのでは」との言葉に深く共感しました。

◎原発ゼロをめざして闘い続けましょう

 全国どの原発の反対運動にも適用できる、水平展開できるこの判決に勇気と元気をもらい、この勝利判決の日を原発ゼロを実現する新たな歴史を作る第一歩にしていきましょう。
 控訴する意向を示した原電は、この裁判が継続している間に再稼働のための対策工事を完成させ、再稼働を強行する可能性があると原告団は警告しています。素晴らしい判決をおおいに祝うとともに、勝利の美酒に酔ってばかりはいられません。

☆《事故情報編集部》より補足より補足
 「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」が、3/18水戸地裁判決について、急いでビラを数百枚印刷し、3/19(金)日本原電本店前で有志が配布、3/20(土)福井での「高浜全国集会」にも「再稼働阻止全国ネットワーク」の仲間が配布し、「反応が大きかった」と聞いております。
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