[2021_04_16_10]【独自】原発テロ対策、電力各社で共有へ…相互チェックで防護力強化(読売新聞2021年4月16日)
 
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【独自】原発テロ対策、電力各社で共有へ…相互チェックで防護力強化

 電気事業連合会(会長=池辺和弘・九州電力社長)は、原子力施設のテロ対策(核物質防護)を強化するため、各施設の具体的な対策の情報を電力各社の担当者間で共有する取り組みを、来週から始める。
 核物質防護に関する情報は社内でも関係する一部の職員に限られた機密扱いで、社を超えた共有が難しかった。今回、守秘義務を課して事例をチェックし合い、各社の対策が独善に陥るのを防ぐことを目指す。
 国内では、2001年の米同時テロ後に核物質防護が強化され、国際指針にほぼ沿った法令が整った。だが、東京電力が法令を守らず、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で防護設備の不備が長期間続いていたことが発覚。外部から監視の目が届きにくい核物質防護特有の危うさが表面化した。
 電事連は今後、原発や核燃料関連の計13社の担当課長らで作る「核物質防護委員会」で、トラブルや対策などの具体的な情報を共有する。守秘義務の契約を交わしたうえで、優れた点や不十分な点を学び合い、原子力規制委員会の規制・指導とは別に、業界が自ら防護力の向上に努める方針だ。
 中熊哲弘・電事連原子力部長は「ルールの運用の仕方などを検討し合い、おかしなことがあれば気付く機会を少しでも作りたい」と話す。
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