[2021_05_13_06]規制委、東電記録を廃棄か 柏崎刈羽原発ID不適切使用 保管期間が経過(新潟日報モア2021年5月13日)
 
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規制委、東電記録を廃棄か 柏崎刈羽原発ID不適切使用 保管期間が経過

 東京電力柏崎刈羽原発で作業員が2015年にも核セキュリティーに関わるIDカードを不適切に使用していたことが新たに発覚した問題で、原子力規制委員会の更田豊志委員長は12日の定例記者会見で、当時、東電から報告を受けた記録が残っておらず、詳細を確認できない状態だと明らかにした。廃棄された可能性がある。その理由について、事務局がこの記録の保管期間を3年と判断したためだと説明した。
 規制委は同原発のテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備を受けた追加検査の中で、東電に対して過去の経緯も調査するよう指示している。同様のケースが他にもあれば、東電側の記録と照合ができず、検査の正確性に影響を与えそうだ。
 更田氏によると、15年のIDカード不適切使用について東電から報告を受けた規制委事務局の原子力規制庁は、規制委に報告すべき事案ではないと判断。規定などを踏まえ、この記録の保管期間を3年と決めた。
 記録文書の保管期間を巡って、規制委は20年7月の同原発関連の審査で、東電が原発のリスク情報などの記録を5年保存としたことを短すぎると批判。「原子炉を廃止するまで」と書き直させた経緯がある。
 この経緯を踏まえ、記者から3年の保管期間は短いのではないかと問われたのに対し、更田氏は「難しいところで、事例の重さによるものだと思う」とかわした。一方で、保管期間の見直しについては「議論の余地がある」と述べた。
 規制庁は全ての記録の保管期間が3年ではなく、重要度によって長さが異なると説明している。
 今回のID不適切使用が東電側の記録と照合して調べられなくなったことについて、更田氏は「私たちに資料がないと、一方側からの検証になる」と認めた上で、今後の追加検査で東電側の説明の一貫性や他の核物質防護措置との関係を捉えていくとしている。
 また、新たに明らかになった東電の核防護への認識の甘さについては「これから検査を進めていくが、東電の意識や姿勢は、どこかがおかしいのは明らかだ」と述べた。
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