[2021_06_21_03]東京電力 今夏までに処理水賠償の枠組み提示へ 福島県の議論 透明性に疑問も(テレビユー福島2021年6月21日)
 
参照元
東京電力 今夏までに処理水賠償の枠組み提示へ 福島県の議論 透明性に疑問も

 福島第一原発の処理水をめぐって、東京電力はこの夏までに賠償の枠組みを示す方針を明らかにしました。
 こうした中、これまでの議論の透明性をめぐり、福島県の姿勢に疑問の声があがっています。
 鈴木副知事は21日、東電の小早川社長を訪問し、処理水の海洋放出に伴って懸念されている風評被害の賠償について、枠組みを早く示すよう求めました。
 これに対し、小早川社長は海洋放出に伴う風評被害について「一括賠償の損害として扱わず新たな損害として対応したい」と新たな方針を明らかにしました。
 また、賠償の枠組みについては、夏ごろまでに示すと話し、被害の算定については、統計データを利用する考えを示しました。
 小早川社長「通算する期間とかどういう事象が生じたときにそれを認定するかというものは証明を個別個別でやっていくと、なかなかそこはご安心につながらないのではないかということも考えた」
 このほか、鈴木副知事は経済産業省なども訪問し、「東電に対して、様々な不安感や不信感が県内には相当ある」と指摘。
 江島副大臣は「賠償への考え方をなるべく早急に示すよう東電に指示をしている」と応じました。
 こうした中、処理水をめぐる県の議論の透明性に、疑問の声も出ています。
 県の職員「すみません、移動をお願いします。すみませんがお願いします」
 政府の方針が決まって以降、開催された会議の多くが、冒頭以外は非公開で、どのような議論を経て、県の意見が決まったのか、過程が明確ではありません。

真っ黒に塗られた資料。

 これは、海洋放出の方針決定を受け、県の意見を決めるために、2度にわたって開かれた会議の議事録と資料です。
 実際に公開された部分以外、すべて黒塗りで、どういう経緯で県の方針が決まったのか、まったくわかりません。
 県は、非公開とした理由について、「発言者や発言の量がわかることで、十分な意見が出ていないとか、特定の人しか話していないなど、誤解を招く可能性がある」としています。
 21日の申し入れに先立って、県は6月15日に、関係者との意見交換を行いましたが、これも一部を除いて非公開でした。
 こうした中、私たちは、この会議で示された業界団体や自治体への賠償に関する調査結果について、出席者から聞くことができました
。調査は5月から205団体に対して実施され、そのうち65団体の回答が示されています。
 海への放出について、「やむを得ない」などと、容認しているのは2団体で、撤回や延期を求める意見もありました。
 およそ10の団体が、いまの東電の賠償への対応について批判。ある浜通りの自治体は「適切に賠償されるとは到底思えない」と訴えています。
 また、3分の1が被害を立証する負担を指摘し、ある商工関係の団体は「立証は中小零細企業にとっては、極めて難しい」として、簡素な手続きとするよう、求めています。
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_: