[2021_07_06_07]柏崎刈羽原発、再び工事不備 「配管でずさんな溶接」と内部通報(毎日新聞2021年7月6日)
 
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柏崎刈羽原発、再び工事不備 「配管でずさんな溶接」と内部通報

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の6号機で、消火用の水を通す配管の溶接工事に不備があった。東電への取材で判明した。何カ所で不備があったかは「調査結果が出るまで明らかにしない」という。原発内の安全対策工事を巡っては、7号機の計89カ所で必要な安全対策工事をしていなかったことが6月に発覚しており、東電のずさんな工事管理の実態が再び浮かび上がった。
 東電によると、3月以降に「6、7号機の消火配管で、ずさんな溶接がされている」という複数の内部通報があった。これを受けて東電が調査した結果、6号機で配管の劣化を防ぐ処置がされていない不適切な溶接工事を確認した。7号機でも同様の不備がないか、調べている。
 東電は1月、原子力規制委員会の安全審査を通過した7号機について「国の新規制基準に基づく安全対策工事が完了した」と発表していた。ところがその後、火災感知器の設置や空調関連の設備などの工事がされていなかったことが次々に明るみに出た。6月には、こうした工事を89カ所でやっていなかったことを明らかにしたが、溶接工事の不備については公表していなかった。
 公表しなかった理由について、東電の広報担当者は「89カ所で工事をしていなかった問題とは、違う性質の問題だと判断した。内部の申告者を保護するため、慎重に調査を進めていた」と説明している。
 規制委は、柏崎刈羽原発のテロ対策に不備があり、核燃料を装着するための手続きを保留している。さらに、原子炉等規制法に反していたとして改善を命令。7号機の再稼働は凍結された状態になっている。【塚本恒】
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