[2021_08_12_01]“津島訴訟”原告・被告が控訴 住民の胸中は(福島県)(テレビユー福島2021年8月12日)
 
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“津島訴訟”原告・被告が控訴 住民の胸中は(福島県)

 原発事故で帰還困難区域となった福島県浪江町津島地区の住民が地域の原状回復を求めた裁判で、原告と被告の双方が仙台高裁に控訴しました。国と東京電力の責任を認める判決が出た一方で、控訴した住民の胸中とふるさとへの思いを聞きました。
 7月30日、帰還困難区域となった福島県浪江町津島地区の住民640人が、国と東電に対し、地域全体を除染して元に戻すことなどを求めた裁判の判決が言い渡されました。地裁郡山支部は国と東電の責任を認め、およそ10億円の賠償を命じました。判決後の旗出しは「勝訴」。しかし原告が「一丁目一番地」として求めてきた原状回復については退けられ、それぞれが複雑な胸のうちを明かしました。

【原告の男性】「とりあえず勝訴という判断だけど、まだまだ私たちが望んでいるのは、現状回復と津島に帰るということなので」
【佐々木茂さん】「多少不満な点はありますが、裁判所がこの裁判を前向きにとらえていただいたと」。
 原発事故から10年。失われつつある地域を除染し故郷を元に戻すことを求め、原告側は12日、控訴しました。
【原告団・今野秀則団長】「一般社会からすれば汚した本人が、汚した側が自らきれいにすべき」。原告団の団長・今野秀則さんは、10年経ったいまでも、ほぼ毎日、津島のことを考え続けていると話します。
【今野秀則団長】「避難を強いられているというのは心はそこにあって、体だけがこっちにあるに過ぎない。元々自分の存立基盤がある場所、そんな簡単に拭い去ってあきらめることができる場所ではない」。今後も続く、原状回復を求める裁判。今野さんはこう強調します。
【今野秀則団長】「何といってもそこ(原状回復)が、この訴訟の根本にある部分。やはりそのことを求めて今後も戦うということ」。
 13日の期限を前に、国と東電も判決を不服として、12日に控訴しました。東電は「控訴審においても訴訟手続きに則り適切に対応してまいります」とコメントしています。
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