[2021_08_26_05]海洋放出への波紋 政府の風評対策は 専門家「10年間やってきたことの延長」(テレビユー福島2021年8月26日) |
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シリーズでお伝えしているトリチウム処理水、海洋放出への波紋です。 海への放出に伴って、最も多くの関係者が懸念しているのが風評被害です。 この風評被害について、24日、政府が中間まとめとして当面の対策を示しました。 まず風評被害を生じさせない対策として、処理水で魚を飼育して分かりやすい情報発信をする。 国際機関による監視や透明性の確保などです。 そして、風評被害が生じた場合、新たな基金を設置して、冷凍の水産物を一時的に買い取ること、被害実態に見合った十分な賠償をするなどとしています。 こうして見てみますと、これまでの対策をほぼ踏襲した形のようにも見えます。本当に有効な対策と呼べるのか、検証しました。 加藤勝信官房長官 「万一、風評が生じたとしてもこれに打ち勝ち、安心して事業を継続できる環境を整備します」 24日の関係閣僚会議。 政府は処理水の放出に伴う風評被害について、当面の対策をまとめました。 福島第一原発の処理水について、政府と東京電力は再来年の春をめどに海に放出する方針です。 ある県内の漁業者は今回の対策について 「話し合いも説明もなく、勝手に決められた」とした上で、 「納得できないし、この進め方はありえない」と厳しく批判しました。 また、県漁連も「国からの説明がまだなく、それを待って対応を考えたい」としています。 県内外で放出に反対する意見も根強い中で出てきた風評被害対策。 「関係者の理解なしに放出しない」という約束もクリアされていません。 こうした中、県内の風評被害について研究し、政府の小委員会の委員も務めた福島大学の小山良太教授は、今回の風評抑制策はこれまでの対策と「ほとんど変わっていない」と指摘します。 福島大学食農学類小山良太教授 「このままだと今までの10年間やってきたことの延長であって、2年後に同じような状態の中で放出しますというのは、問題が大きくなるのではと懸念している」 また風評が起こるという前提で考えられている点にも問題があると小山教授は言います。 福島大学食農学類小山良太教授 「やはり地元の漁業者含めて関連する業界は、風評が起こらないことが前提なんですよ、風評起こることが前提であれば、そこには同意ができないですし(水産物を)買い取りになるような価格が下落したり、取り引きが停止されるような状況を2年後につくらないことがすべての前提だと思います」 そして、風評を招かないためにどうするべきか現状を分析して策を練り直す必要があるとします。 福島大学食農学類小山良太教授 「東京の消費者や流通業者の理解が進んでいない。この進んでいない状況を現状分析したうえで、その現状に基づいて対策(を練る)という過程をやってほしい」 |
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