[2021_12_08_17]復興庁住民意向調査、「帰還考える」微増 福島・双葉11.3%、富岡9.5%(福島民友2021年12月8日)
 
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復興庁住民意向調査、「帰還考える」微増 福島・双葉11.3%、富岡9.5%

 復興庁は7日、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出ている福島県双葉町と富岡町の住民意向調査の結果を発表した。結果は【グラフ】の通りで「(将来の希望も含め)戻りたいと考えている」と答えた割合は、全町避難が続く双葉が11.3%(前年比0.5ポイント増)、帰還困難区域以外の避難指示が解除された富岡が9.5%(同1.2ポイント増)と前回調査より微増だった。
 政府は、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域の避難指示解除に向け、帰還意向を複数回かけて把握する方針だが「今回の調査とは別途確かめる」(復興庁)としている。

 「1年以内」最も高く

 【双葉町】「戻らないと決めている」と答えた割合は60.5%で、前年比1.6ポイント下がった。「まだ判断がつかない」は24.8%(同0.2ポイント増)で目立った変動はなかった。
 帰還を望む人に時期を尋ねたところ「1年以内」が23.1%で最も高かった。来年6月以降に復興拠点の避難指示が解除される見通しとなり、古里への帰還が現実味を帯びてきたためとみられる。次いで「3年以内」が10.1%、「5年以内」が4.1%。ほかに「復興拠点外にある自宅に帰れるまで待ちたい」が16.6%、「しばらく様子を見たい」が16%だった。
 帰還の判断に必要な要素は、「医療・介護福祉施設の再開や新設」が前回に続き48.7%でトップ。「商業施設の再開や新設」「上下水道などライフラインの整備状況に関する情報」が約3割で「JR双葉駅西側地区に整備する新たな公営住宅に関する情報」が15.6%だった。
 復興庁と県、町の共同調査は10回目。3126世帯の代表が対象で、1494世帯が答えた。回答率は47.8%(同1.4ポイント減)。

 「医療拡充」7割望む

 【富岡町】帰還の質問で「既に町内で生活している」と答えた割合は9.5%と前年を0.3ポイント上回った。「まだ判断がつかない」が前年より1.8ポイント減の13%に下がった。「戻りたいが、戻ることができない」は17%(前年比0.2ポイント増)、「戻らないと決めている」が49.3%(同0.4ポイント増)とほぼ横ばいだった。
 帰還する場合に必要な施策は「医療機関(診療科)の拡充」が最も高く約7割を占めた。今回から「医療機関」と回答項目を分けた「介護・福祉施設の充実」が続き「商業施設の再開、充実」とともに半数を上回った。「防犯・防火対策の強化」「放射線量の低減」「有害鳥獣対策の強化」も4割以上だった。
 町に訪れる頻度を初めて尋ねた。「3カ月に1回」が最も高い19.1%で「6カ月に1回」が16.4%、「1カ月に複数回」が10.7%、「数年に1回」が9.7%、「1年に1回」が9.1%と続いた。「訪れていない」は10.3%だった。
 復興庁と県、町の共同調査は10回目。6248世帯の代表が対象で、2980世帯が答えた。回答率は47.7%(同0.5ポイント減)。
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