| [2024_03_21_11]東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉の再稼働へ向けた政府の方針について(経済産業省2024年3月21日) |
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04:00 経済産業省 20240318資第2号 令和6年3月21日 新潟県知事 花角英世 殿 経済産業大臣 齋藤健 東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉の再稼働へ向けた政府の方針について 日頃から、エネルギー政策、原子力政策の推進に当たって、貴職には、特段のご理解とご協力を賜り、心から感謝いたします。 東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故から13年が経過し、これまでに12基の原子力発電所が、原子力規制委員会により新規制基進を満たすと認められ、再稼働しました。しかしながら、様々な災害が発生する中、今なお、国民の皆様の中に再稼働に対する不安の声があることは承知しています。 一方、我が国は令和2年10月に「2050年カーボンニュートラル」を目指すことを宣言するとともに、令和3年4月には、2030年度の新たな温室効果ガス削減目標として、2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けるとの新たな方針を示しました。この実現に向け、あらゆる選択肢を追求していく中で、安全確保を大前提とした上で、脱炭素電源である原子力発電の活用は、責任あるエネルギー政策を実行していくために欠かすことができないものと考えています。 「第6次エネルギー基本計画」(令和3年10月22日閣議決定)においては、原子力発電は、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であると位置付けられるとともに、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進めていく方針としています。 また昨今のエネルギーを巡る国内外の大きな状況変化を踏まえて令和5年7月に策定された「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」では、化石エネルギーへの過度な依存からの脱却を目指し、需要サイドにおける徹底した省エネルギー、製造業の燃料転換などを進めるとともに、供給サイドにおいては、足元の危機を乗り切るためにも再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する、としています。 また、東日本エリアにおいて、東京湾沿岸に火力発電所が集中していることに加え、1割以上を占める老朽火力を最大限維持している状態であるため、仮に複数の火力発電所が停止した場合は、東日本エリアを中心に需給がひっ迫する可能性があります。実際、令和4年には、東日本エリアにおいて、複数の火力発電所の停止や需要の増大等が相まって、二度の需給ひっ迫が発生しました。原子力発電所の再稼働が複数進んでいる西日本エリアと比較して、東日本エリアの電力需給は厳しい状況が続いています。東日本全体の電力需給構造の強靭化に向けて、東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が非常に重要です。 東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉(以下「柏崎刈羽発電所6・7号炉」という。)については、平成29年12月27日、原子力規制委員会によって、新規制基準に適合すると認められ、原子炉設置変更許可が行われました。しかしながら、その後、一連の核物質防護事案の発生を受け、原子力規制委員会は、柏崎刈羽原子力発電所の原子力規制検査の対応区分を第4区分(事業者が行う安全活動に長期間にわたる又は重大な劣化がある状態)に変更するとともに、東京電力ホールディングス株式会社に対して核燃料物質の移動を禁じる命令を発出しました。その後、核物質防護に係る追加検査や発電用原子炉設置者としての適格性に係る判断の再確認を経て、令和5年12月27日、原子力規制委員会は、同発電所の原子力規制検査の対応区分を元の区分である第1区分(事業者の自律的な改善が見込める状態)に変更することを決定しました。 政府及び原子力事業者は、過酷事故への十分な対応ができず、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故を防ぐことができなかったことへの深い反省を一時たりとも忘れてはなりません。規制基準さえ満たせばリスクがないとする「安全神話」と決別し、産業界の自主的かつ継続的な安全性向上を促してまいります。 また、令和6年能登半島地震を含めこれまでの災害を通じて得られた教訓も踏まえ、避難道路の整備や防災体制の充実等の課題に真撃に向き合い、関係府省庁が連携して、解決に向けた取組を進めてまいります。さらに、万が一の場合には、政府は、関係法令に基づき、責任をもって対処いたします。 エネルギー・原子力政策に責任を有する経済産業大臣として、このような取組全体を通じて、原子力に対する社会の信頼が回復するよう、先頭に立って最善を尽くしてまいります。 このような認識と対応の下、国として、下記の方針に従って、柏崎刈羽発電所6・7号炉の再稼働を進めてまいります。こ理解を賜るようお願い申し上げます。 記 1.原子力については、エネルギー基本計画において、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベ−スロード電源であると位置付けるとともに、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進めることとしている。 2.柏崎刈羽発電所6・7号炉については、平成29年12月27日、原子力規制委員会によって、原子炉設置変更許可が行われた。また、令和5年12月27日、原子力規制委員会は、柏崎刈羽原子力発電所の対応区分を第1区分(事業者の自律的な改善が見込める状態)に変更することを決定した。 したがって、政府として、エネルギー基本計画に基づき、柏崎刈羽発電所6・7号炉の再稼働を進めることとする。 3.このような政府の方針について、エネルギー基本計画等に基づき、政府として、立地自治体等の関係者の理解と協力を得るよう取り組むこととし、新規制基準への適合審査の結果や、エネルギー政策・原子力政策の内容、原子力災害対策の内容等を丁寧に説明していく。 4.また、避難計画を含む地域防災計画について、政府として、令和6年能登半島地震を含めこれまでの災害を通じて得られた教訓も踏まえ、計画の更なる充実のための支援やその内容の確認を行うとともに、計画の改善強化に継続して取り組んでいく。 5.実際の再稼働は、今後、原子力規制委員会によって、工事計画認可や使用前確認など所要の法令上の手続が進められた上で行われる。さらに、再稼働後についても、政府は、関係法令に基づき、責任をもって対処する。 以上 |
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