[2025_08_07_03]航空自衛隊F2戦闘機 茨城県沖に墜落 乗員1人は緊急脱出(NHK2025年8月7日)
 
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航空自衛隊F2戦闘機 茨城県沖に墜落 乗員1人は緊急脱出

 18:46
 7日昼過ぎ、茨城県沖で訓練中だった航空自衛隊のF2戦闘機1機が墜落し、乗っていた隊員1人が緊急脱出しました。
 その後救助され命に別状はないということで、航空自衛隊が事故の詳しい状況を調べています。
 7日午後0時半ごろ、茨城県のおよそ150キロの沖合いで、訓練中だった航空自衛隊百里基地に所属するF2戦闘機1機が墜落しました。
 航空自衛隊によりますと、機体には30代の1等空尉1人が乗っていて、この隊員は緊急脱出し海上にいたところを救難ヘリコプターに救助されて病院に搬送されたということです。
 命に別状はないということです。
 また現時点では船舶などへの被害も確認されていないとしています。
 墜落した機体は午前11時44分に百里基地を離陸し、ほかのF2戦闘機などあわせて6機で訓練を行っていました。
 その後、隊員は管制官に異常を知らせ、離陸から50分後の午後0時34分に脱出したということです。
 航空自衛隊は当面F2戦闘機の任務以外の飛行を見合わせるほか、隊員が知らせた異常の内容など事故の詳しい状況を調べています。
 航空自衛隊ではことし5月にもT4練習機が愛知県内の池に墜落し、隊員2人が死亡する事故が起きています。

 【航空自衛隊トップ「心からおわび」】

 航空自衛隊トップの森田雄博航空幕僚長は7日午後5時半ごろから臨時の会見を開き「国民の皆様にご心配をおかけしていることを心からおわびいたします」と述べました。
 そのうえで「現在訓練飛行を見合わせていて、今後は全力をあげて事故調査を進め原因の究明に万全を期す所存です」と述べました。
 またことし5月にT4練習機の墜落事故が起きてからまもないことについては「安全対策をしっかりやったうえで飛行訓練を行っていると認識しているが、今回の状況がどのような状況かは分かっていない」などと話しました。

 【滑走路共用の茨城空港 民間機は通常運航】

 茨城空港の管理事務所によりますと、滑走路を共用する航空自衛隊の百里基地から午後0時50分ごろ「緊急事態が起きている」と連絡を受けたということです。
 茨城空港では民間の航空機は通常通り運航しているということです。

 【茨城 小美玉 市長「市民に多大な不安 大変遺憾」】

 航空自衛隊の百里基地がある茨城県小美玉市の島田幸三市長は「市民に多大な不安を与える事態となり大変遺憾に思っている。また搭乗員については命に別条がないとのことで、まずは一安心している。今後事故の詳細について調査が進められると思うが、市として市民の安全を最優先に確保するため、防衛省に対し、迅速かつ徹底した原因究明と再発防止策を強く求めていく」とコメントしています。

 【F2戦闘機とは】
 F2戦闘機は日本とアメリカが共同開発した機体で、2000年から航空自衛隊が運用しています。
 全長はおよそ15メートル、幅がおよそ11メートルあり、1人乗りと2人乗りの2つのタイプがあります。
 自衛隊によりますと、今回墜落したのは、1人乗りのタイプだということです。
 現在は茨城県の百里基地などに配備されていて、それぞれの機体はおよそ10年後の2035年ごろから退役していく計画となっています。
 F2戦闘機をめぐっては4年前の2021年にも山口県の上空で飛行中の2機が接触する事故が起きています。

 【自衛隊機 墜落事故相次ぐ】

 自衛隊機をめぐってはここ数年墜落事故が相次いでいます。
 ことし5月には航空自衛隊のT4練習機が愛知県犬山市の入鹿池に墜落し隊員2人が死亡しました。
 去年4月には、海上自衛隊のSH60哨戒ヘリコプター2機が伊豆諸島の鳥島の沖合で夜間訓練中に衝突して墜落し、隊員8人が死亡しました。
 おととし4月には、陸上自衛隊のUH60ヘリコプターが沖縄県の宮古島沖で墜落し、隊員10人が死亡する事故が起きています。
 2022年1月には航空自衛隊のF15戦闘機が石川県沖の日本海に墜落し、隊員2人が死亡しました。
 2019年4月は、航空自衛隊のF35戦闘機が青森県沖で墜落してパイロット1人が死亡しました。
 同じ2019年の2月には航空自衛隊のF2戦闘機が山口県沖の日本海を飛行中に墜落し、乗っていた隊員2人が救助されました。
 2018年2月は陸上自衛隊のヘリコプターが佐賀県内の住宅地に墜落して、隊員2人が死亡しています。
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