![]() |
![]() |
[2025_08_08_06]2025(令和7)年3月にミャンマーで発生した地震の研究成果について(弘前大学2025年8月8日) | ![]() |
![]() |
参照元
04:00 プレスリリース内容 発表のポイント 弘前大学大学院理工学研究科の平野 史朗助教・道家 涼介准教授・および前田 拓人教授のグループは、2025(令和7)年3月28日にミャンマーで発生したマグニチュード7.7の地震を受け、その震源断層における破壊と滑りの様子を解析しました。 この地震については、断層が破壊する瞬間の動画が、偶然にも現地企業により世界で初めて撮影・公開されており、これを活用した他、地震波形や人工衛星画像の解析、およびコンピュータシミュレーションも併せて実施しました。 その結果、同地震の断層破壊の拡がりが、極端な高速度と典型的な速度の間で変化したことを発見しました。破壊の広がる速度は従来、主に地震波の解析から調べられてきましたが、複数のデータを統合し、より詳細な変化が推定できたことは、これまでにない成果です。 この内容は2025年8月1日に、地震学分野の査読付き国際学術雑誌Seismicaにて発表されました。 URL:https://doi.org/10.26443/seismica.v4i2.1785 本件の概要 地震とは、地下の岩石が破壊し、滑る現象と考えられています。この破壊面を断層と呼びます。 本研究では、2025年3月にミャンマーで発生したマグニチュード7.7の地震の際、断層破壊の拡がる速さがおよそ6km/秒から3km/秒へと減速した後、再度6km/秒近くまで加速したであろうことを明らかにしました。 6km/秒とは、(中学理科でおなじみの)P波が地殻内部を伝わる速さで、3km/秒は、S波が伝わる速さ約3.5km/秒よりも若干遅い程度です。多くの断層破壊は2〜3km/秒で拡がる一方、P波速度に近い高速破壊も度々報告されます。 しかしこのように速度が揺らぐことを、断層から離れた場所で観測された地震波だけで特定するのは容易ではありません。 今回、現地企業の監視カメラに、偶然にも世界で初めて破壊と滑りの様子が映されていました。 この動画が5月にSNSで公開されたことから、映像を解析し、また既知の地震波形の性質も加味して、このような結論に至りました。この動画の公開後、本日時点まで3ヶ月に満たない間に、各国の研究者が様々な切り口で動画を解析し、本研究を含め少なくとも5本の論文が公開されています。 このことは、極めて珍しい断層破壊の映像に対する研究者コミュニティの関心の高さを示しています。 なお、断層の破壊の速度は地震波の強さと深く関係します。 この地震においてはミャンマーおよびタイ国内で甚大な被害が報告されていますが、その被害をもたらした強烈な地震動は、高速な破壊によって生じた可能性があります。 本研究では、途中の一時的な破壊の減速が、地殻にかかる力が地震の最中にあまり解放されなかった領域、および地質学的・地震学的に知られていた断層面の角度の変化によるものである可能性を提唱しました。 被害に繋がる断層破壊がどのように決定されるのかを、明らかにする一助となる成果であると言えます。 以上の成果は、以下の論文として公表済みです。 論文情報 ■雑誌名:Seismica ■題名:Supershear-subshear-supershear rupture sequence during the 2025 Mandalay Earthquake in Myanmar ■著者名:Shiro Hirano, Ryosuke Doke, Takuto Maeda ■DOI:https://doi.org/10.26443/seismica.v4i2.1785 詳細 プレスリリース本文は こちら(499KB) お問合せ先 (後略) |
![]() |
![]() |
KEY_WORD:ミャンマー中部-M7.7大地震_: | ![]() |
![]() |