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[2025_08_09_03]ミャンマー地震 弘大助教ら研究 「断層破壊が再加速」 解析 国際誌掲載 被害拡大要因か 平野史朗 助教(東奥日報2025年8月9日) | ![]() |
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参照元
04:00 今年3月にミャンマーで発生したマグニチュード(M)7・7の地震について、弘前大学大学院理工学研究科の平野史朗助教、道家涼介准教授、前田拓人教授の研究グループが、震源断層の破壊とずれの様子を詳細に解析した結果、断層破壊の速度が減速したり加速したりするなど、大きく変化していたことが分かった。研究グループは「断層破壊が再加速したことで被害が大きくなった可能性がある」とみている。 地震は3月28日、ミャンマー中部のマンダレー近郊を震源として発生。死者は4月16日時点で3700人以上、負傷者は5千人以上に上っている。 地震は、地下の岩石が破壊し、ずれることによって発生する。ミャンマーの地震では、断層が破壊され、ずれる瞬間の屋外の様子が偶然、現地企業の監視カメラによって撮影され、5月に交流サイト(SNS)で世界初の映像として公開された。研究グループはこの貴重な映像に加え、地震波形データや人工衛星画像、コンピューターシミュレーションを使って断層が破壊される様子を解析した。 その結果、断層破壊の広がる速度が一時的に秒速6kmから秒速3kmに減速し、その後再び加速するなど、破壊の進行速度が揺らいでいたことが分かった。秒速6kmは、地震が発生したときに最初に地表に到達するP波の広がる速度に匹敵し、一般的な断層破壊が秒速2〜3kmで進む中では異例の速さ。このような変化は、これまで地震波だけでは特定が難しかったが、映像の存在が詳細な推定を可能にした。 研究グループは断層の破壊速度が変化した理由として、断層の形が途中で曲がっていたことや、地震の最中に地面にかかっていた力が抜けなかった場所があったことが影響している可能性がある−と分析。断層の破壊がとても速く進んだことで、強い揺れが発生し、それがミャンマーやタイで大きな被害をもたらした原因の一つになったと推測している。 平野助教は「今回の研究は、被害をもたらす断層破壊の仕組み解明に貢献する重要な成果といえる」と話した。 研究成果は1日、地震学の国際誌「SeiSmica(サイスミカ)」に掲載された。 (菊谷賢) |
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KEY_WORD:ミャンマー中部-M7.7大地震_: | ![]() |
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