[2025_08_10_02]1000m以深の海底位置、cm精度で計測…東大などが無人航空機で成功した意義(ニュースイッチ2025年8月10日)
 
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1000m以深の海底位置、cm精度で計測…東大などが無人航空機で成功した意義

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 東京大学の横田裕輔准教授らは、海面に着水している無人航空機(UAV)で海底位置をセンチメートル精度で計測することに成功した。UAV搭載用の海底通信装置を高度化。船を使わずに海面に着水したUAVで1000メートル以深の深海底をセンチメートル精度で位置計測できた。海底観測手法の高度化や低コスト化につながると期待される。
 ハマ(福島県南相馬市)との共同研究。成果は、地球・宇宙科学系の国際科学誌電子版に掲載された。
 実験で使ったUAVはハマが開発した飛行艇型で、翼幅6・3メートルの本体にガソリンエンジンを搭載し、速度毎時90キロメートル以上で330キロメートル飛行できる。深海底の位置計測は東大にある海洋工学水槽で、音響で海底に設置した海底音響基準局との通信と測距を調べた。UAVに搭載した音響装置での水中の距離計測実験では、約2センチメートル以内の精度で計測できることが分かった。相模湾でUAVを用いた海底位置計測実験を行ったところ、海底位置がセンチメートル精度で特定できることを実証した。
 海洋音響通信による海底の地形や位置の把握、観測装置を用いた海洋・海底計測などには、船舶やブイが使われている。だが船舶にはコストや機動性に、ブイには海面位置の保持能力に限界があるという課題があった。
KEY_WORD:地球科学_: