[2025_08_24_01]福島第1原発の処理水放出が始まって2年…10万トン以上を海へ流したが、新たな汚染水は日々発生していて(東京新聞2025年8月24日)
 
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福島第1原発の処理水放出が始まって2年…10万トン以上を海へ流したが、新たな汚染水は日々発生していて

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 東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出が開始されてから24日で2年となった。水には浄化処理後も放射性物質のトリチウムが残る。日本産水産物の輸入を全面停止した中国が6月、37道府県産を再開したが、福島など10都県は今も対象外。海洋放出に終わりは見えず、原発事故による漁業への影響も続く。

 ◆タンクの処理水や汚染水は、5万6000トンしか減っていない

 海洋放出は2023年8月24日に初回があり、今月7日からは通算14回目が始まった。13回目までで計10万1870トンの処理水を放出した。
 海洋放出前に原発敷地内のタンクにためられた処理水や汚染水は約134万5000トン。これまでに減ったのは約5万6000トンで、放出分ほどは減っていない。汚染水が毎日70トンほど発生しているのが要因で、地下水や雨水が原子炉建屋の溶融核燃料(デブリ)に触れるなどで増える。汚染水がなくならないと海洋放出をやめられない。
 海洋放出に伴う魚価の低迷などを受け東京電力は補償で今年7月30日現在、約810件790億円を支払った。中国の一部輸入再開で魚価にも変化が出る可能性はあるが、福島県産は引き続き停止されたままだ。
 37道府県産の水産物については輸出申請手続きが始まった。水産庁加工流通課の担当者は「申請は多く、再開したいという意欲は強い。引き続き10都県の再開に向け中国に働きかける」と話した。(荒井六貴)

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◆汚染水の処理に伴う「汚泥」の行き場が満杯寸前

 東京電力福島第1原発事故に伴う処理水の海洋放出が始まり2年。原発構内で保管してきた処理水は海洋放出で少しずつ減る一方、汚染水の処理過程で発生し続ける高濃度に汚染された汚泥の保管や処分が課題になっている。

 汚泥は、汚染水から放射性物質を取り除く過程で、薬品で不純物を沈殿させて生じる。液体と固体が混... (後略)
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