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[2025_08_26_03]<本音のコラム>原発が消える日 鎌田慧(ルポライター)(東京新聞2025年8月26日) | ![]() |
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参照元
12:00 「台湾原発再稼働を否決」(本紙24日)。原発政策に疑問をもつ人への大いなる激励だ。 5月17日、第3原発2号機が稼働停止し、アジア初の原発ゼロとなっていた。再稼働を求める野党の提起も同意に至らなかった。 5月17日に「ノー・ニュークス・アジア・フォーラム」に参加し、台湾電力本社前にいた水戸喜世子さん(子ども脱被ばく裁判の会共同代表)は午後10時、ビルの壁面に「非核家園」(核なきふるさと)の4文字がレーザービームで鮮やかに映し出されるのを目にし、涙が止まらなかった。 夫の物理学者・巌さんが亡くなってから反原発運動を引き継いできた。日本の運動の弱さが情けなかった。韓国から来ていたグループは、ハングルで「非核」と大書した巨大な布切れを社前に広げて、拍手を浴びた。 不思議なことに、台湾電力董事長の曽文生氏は強力な原発反対派なのだ。「まるで東京電力会長が原発反対派のようです」と水戸さんが笑っていう。 台湾電力は国営だから、脱原発が党是の民進党政権になって、戒厳統治下に建設された6基は40年の期限を厳守してそれぞれ停止。ほぼ完成の第4原発も凍結した。 日本と同じ地震国はいま原発停止で安泰だが、国民党は必死に巻き返そうとしている。 緊急事態宣言のまま、原発推進を掲げる日本は、まるで戒厳令統治下のようだ。 (8月26日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より) |
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KEY_WORD:台湾-原発ゼロ_実現_: | ![]() |
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