[2024_03_25_03]放出後も増える汚泥 見えぬ後始末 終わらない処理水問題(毎日新聞2024年3月25日)
 
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放出後も増える汚泥 見えぬ後始末 終わらない処理水問題

 06:30
 処理水をためる1000基余りのタンク群をバスに乗って抜け、敷地の南端に向かうと、コンクリート製の大きな箱(高さ約2〜8メートル)が並ぶ一帯が見えてきた。
 1月下旬、東京電力福島第1原発を毎日新聞記者が訪ねた。ここは、汚染水を処理する過程で取り除いた放射性廃棄物を屋外保管する場所だ。フェンス越しに見える箱の中には、HIC(ヒック)と呼ばれる円筒形の容器(高さ約1・9メートル、直径約1・5メートル)に入った廃棄物が収められている。
 ヒックは放射線を遮蔽(しゃへい)するポリエチレン製で、外側をステンレス製の容器で二重に覆っている。中に入っているのは、汚染水を処理水にする際に生じる汚泥や使用済み吸着材だ。どちらも高濃度の放射性物質を含み、ヒックの表面線量は高いもので毎時10ミリシーベルトを超える。
 2023年8月に処理水の海洋放出が始まり、タンクは少しずつ減る見込みだが、汚染水は日々発生しており、ヒックは増え続けている。
 東電の担当者は「万が一漏れても、外に出ないようにコンクリートで保管している」とし、屋外保管はあくまで一時的な状態だと説明した。

 放出後も増え、ほぼ満杯に

 そのヒックに近年、新たな問題が起きている。強い放射線を受け、劣化が進んでいるのだ。
 特にやっかいなのが汚泥だ。液体と固体が混ざっており、沈殿してヒックの底の劣化を早める。東電によると、23年度末までに積算線量の限界を超えると見込まれたヒックは57基あり、数基が実際に超えた。もし破損すれば、汚泥が外に漏れ出しかねない。(後略)
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