[2024_02_14_06]六ヶ所保管期限迫る(東奥日報2024年2月14日)
 
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六ヶ所保管期限迫る

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 高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の最終処分に向け、国内初となる文献調査の報告事案がまとまった。資源エネルギー庁は「一つの節目」との認識を示すが、処分場の選定までにはなお時間を要する。六ヶ所村に一時貯蔵されている固化体は保管期限が目前に迫り、約束の順守は極めて困難な状況だ。
 県、村、事業者が結んだ協定は保管期限を「30〜50年間」と明記している。日本原燃の施設では1995年4月から海外返還の固化体を受け入れ、初回分の「30年」の期限は来年4月。「50年」でも残リ21年と猶予はない。
 国や原子力発電環境整備機構(NUMO)は、文献調査から始まる3段階の調査に20年、最終処分施設の建設に10年を見込む。単純計算では「50年」の期限には到底間に合わない。各電力会社は、期限を迎えた時点で固化体を運び出すと約束するものの、搬出先のめどがあるわけではなく、現実味に欠ける。
 北海道2町村での文献調査は、目安とされた2年を大幅に超過して、ようやく報告書案ができた。作業部会を経て報告書が完成すれば、国などは北海道だけでなく全国でも説明会の開催を検討する。概要調査の可否が明らかになるまではさまざまなプロセスが控えるが、六ヶ所にある固化体の議論は置き去りのままだ。
     (加藤景子)
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