[2016_04_12_01]浜岡原発 空調設備の破片 緊急用の冷却水に混入 非常時の備えに不安(東京新聞2016年4月12日)
 
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浜岡原発 空調設備の破片 緊急用の冷却水に混入 非常時の備えに不安


 中部電力は11日、浜岡原発3号機(静岡県御前崎市)で空調設備が破損し、破片が緊急時の冷却用の水に混入しているのが見つかったと発表した。また同日、非常用ディーゼル発電機を試運転中に潤滑油が漏れるトラブルが起きた。
 3号機は2010年11月に定期検査に入って以来、停止している。このため、中電本店広報部は「放射性物質の漏えいはなく、安全上の影響もない」と説明するが、非常時への備えに不安を示す形となった。
 中電によると6日、原子炉格納容器内を巡視していた社員が、床に散乱したアルミ薄板やガラス繊維などの破片に気付いた。空調設備に取り付けられた9個の塩分除去フィルターのうち1個(縦横61センチ、奥行き29センチ)が破損していた。通気管がつながる圧力抑制室を調べると、室内の水からも破片が見つかった。中電は、これらの破片は破損後、空調ファンの風で飛ばされたとみている。
 圧力抑制室は、格納容器を取り囲むドーナツ状の部屋で、ここにある約4千トンの水は、事故の際に圧力容器から放出された蒸気を冷やしたり、炉心を冷やしたりするのに使われる。破損の原因や混入量、設備への影響を調べる。
 発電機は災害などで送電線からの電力が途絶えた際、炉心を冷やすポンプを動かす。3、4号機に2台ずつ備えてあり、うち3号機の1台を11日、定期試験で動かすと、油漏れが確認されたため、25分後に停止した。漏れたのは潤滑油約0.15リットルで、原因を調べている。
 3号機は15年6月、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に申請している。

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