[2020_05_12_01]浜岡原発再稼働「容認」首長ゼロ、31キロ圏11市町 4市、審査合格でも認めず(静岡新聞SBS2020年5月12日)
 
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浜岡原発再稼働「容認」首長ゼロ、31キロ圏11市町 4市、審査合格でも認めず

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の全炉停止から14日で9年になるのに合わせ、静岡新聞社が浜岡原発から半径31キロ圏内11市町の首長に行ったアンケートで、浜岡3、4号機の再稼働の是非と、再稼働の事前同意に関わる“地元”の範囲について、全ての首長が2019年の前回調査と同じ基本姿勢を示し、再稼働へのハードルが極めて高いことがあらためて明らかになった。
 アンケートは4月下旬に行い、対象の全市町長から回答を得た。再稼働を現時点で「認める」首長はゼロ、原発の新規制基準の審査に合格しても「認めない」のは4市長で、その他の市町は判断を避けた御前崎市を除き、再稼働に向けた問題や懸念などを示した。
 審査合格でも再稼働を「認めない」としたのは磐田、袋井、島田、藤枝の各市長。「市民の安心・安全が担保されていない」(磐田、島田)、「原子力規制委員会の審査合格という基準のみでは認められない」(袋井)、「福島第1原発事故を国が収束させ、国民の安心を得るべき」(藤枝)などを理由に挙げた。
 4市長以外の首長は「その他」「他の課題解消が条件」と答えて賛否を明示しなかったが、再稼働をめぐる厳しい現状を指摘する声が相次いだ。牧之原市は放射性廃棄物の最終処分の問題など原発を取り巻く多くの課題から「判断する状況にない」と説明。焼津市は「新規制基準に適合しても国から納得できる説明が必要」と訴えた。一方、原発が立地する御前崎市は「審査中の現段階で議論すべきではない」とした。
 中電が県に加えて再稼働の事前同意を得る必要がある“地元”の範囲は、掛川、袋井、吉田、森の各市町が原発事故時の影響などから「31キロ圏11市町」と主張。島田市は「県内全市町」と回答し、御前崎市は「周辺自治体の意見集約は県がするもの」との理由で「立地市のみ」とした。

静岡新聞社
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