[2023_03_06_02]Nスペ「南海トラフ巨大地震」ドラマで原発事故リスク描かずスルー…視聴者から疑念噴出(日刊ゲンダイ2023年3月6日)
 
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Nスペ「南海トラフ巨大地震」ドラマで原発事故リスク描かずスルー…視聴者から疑念噴出

 今月4日、5日に放送された「NHKスペシャル 南海トラフ巨大地震」では、南海トラフ巨大地震の想定される被害と防災対策をドラマとドキュメンタリーの2部構成で描いていた。和歌山県南方沖を震源地とするマグニチュード8.9の巨大地震が発生し、大阪・梅田に津波が襲うシーンや救助や物資の支援が届かない地方の避難所の様子はリアルで、さらに巨大地震の後、時間差でプレート境界が半分ずつ動く「半割れ」が起こるリスクなども取り上げられた。東日本大震災から12年を目前に地震対策の啓蒙となる企画だった一方、Nスぺでは重大な原発事故リスクを描いていなかった。

 これにはネット上でも多くの指摘があった。

[NHKスペシャル 南海トラフ巨大地震 第1部ドラマ 第2部 “最悪のシナリオ″ にどう備えるかは、全体として良質な番組だったと思うが、原発推進を進める政府に気兼ねしたのか、最悪のシナリオでも浜岡原発や伊方原発のリスクに触れていなかったのが いかにもNHKらしかった]

[NHKによると南海トラフ来ても伊方原発も浜岡原発も何の問題もないらしい。原発再稼働が政府の方針だからってこれはない。福島原発事故の被災者なかったことにしてるのですね]
[NHKスペシャルで南海トラフ大地震を想定したドラマをやっていたけど、原発の「げ」の字も出てこなくて笑ったわ。伊方原発なんかもろにダメージを食らうだろうに]

 東日本大震災の翌日、2011年3月12日には東京電力福島第一原発1号機原子炉建屋で水素爆発が起きている。死者・行方不明者のほとんどは津波の被害者だが、福島原発事故によって県民を中心に故郷や財産、そして漁業や畜産農家などは風評被害で職を失うなどいまだに苦しんでいる人が大勢いる。
 想定震源域にある愛媛県西宇和郡伊方町には再稼働中の「伊方原子力発電所3号機」がある。防災ハザードマップ上の南海トラフ地震の被害想定は最大震度6強、最大津波高21mだ。また、南海トラフ地震の後、「半割れ」が起これば愛知や静岡、三重で震度7の東南海地震が想定される。現在は稼働していないが、静岡県御前崎市の予想震源域に「浜岡原発」があるが、ドラマやドキュメンタリーでは「原発」リスクに言及されることはなかった。
 それだけに岸田政権が「原発推進」しているなか、政治的な理由があったのではないか、と疑念を抱いた視聴者が多かったようだ。
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