[2016_02_10_02]東通原発事故時 避難計画見直し 青森市収容 2万人不足 県、3市町に分担要請へ(東奥日報2016年2月10日)
 
 東北電力東通原発で原子力災害事故が発生した際、むつ市と東通村の住民計6万人の避難先となる青森市について、県が同市内の各避難施設の収容可能人数を算定し直した結果、4万人程度しか収容できないことが9日、分かった。青森市だけでは全避難者を収容しきれないため、県は近隣の五所川原市や黒石市、平内町にも受け入れてもらう方針だ。
 原発の半径30キロ圏内に入る市町村は国の指針で避難計画の策定が決められている。むつ市と東通村の計画によると、むつ市の約5万3千人、東通村約7千人の計約6万人が、青森市内の小中学校など155施設に避難する。計画は2014年3〜4月に公表したが、各施設ごとの受け入れ可能人数は1人当たり避難スペースを2平方メートルなどと換算し、機械的にはじき出したとみられる。
 ただ、男女別の更衣室や避難者の共用スペースなどは全く考慮していないため、見直しが必要となっていた。県は青森市の避難施設のうち、まずは規模の大きな新県総合運動公園(現計画の収容人数3069人)、青森工業高校(同1052人)の2施設について、収容可能人数をあらためて推計した。
 その推計結果によると、新県総合運動公園の収容可能人数は2560人で計画に比べ509人の不足が生じ、青森工業高校も同580人と、472人の不足となった。
 青森市の残る153施設について、県は「作業中」として推計結果を公表していないが、いずれも収容可能人数は減ったとみられる。全体では当初計画よリ1万8千〜9千人程度受け入れ人数が減ったもよう 当初計画と大きな乖離が出たことについて、県担当者は、10日に開く市町村担当者らを交えた原子力災害避難対策検討部会で推計結果を説明する予定であることを理由に「まだ答えられない」と回答した。
 一方、新たに避難受け入れ先となる五所川原市、黒石市、平内町の担当者は取材に対し、県から受け入れ要請があったことを認めた上で「学校やコミュニティーセンターなど既存施設を使うことで、受け入れは可能」とし、3市町とも避難者受け入れを「了承する意向を示した。 (阿部泰起)
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