[2016_11_05_01]東通でヨウ素剤配布 原発重大事故備え 県内初(東奥日報2016年11月5日)
 
 東北電力東通原発の重大事故に備え、県と東通村は4日、同原発から半径5キロ圏内の同村住民を対象に、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の事前配布を開始した。3歳未満やアレルギーがある人などを除く約2800人(約1200世帯)が対象。ヨウ素剤の事前配布は県内で初めてで、初日は白糠地区の一部の住民が受け取った。
 ヨウ素剤は原発事故時に放出される放射性ヨウ素による内部被ばくを抑えるための医薬品で、国の指針に基づき5キロ圏内の住民に事前配布を行うことになっている。5〜30キロ圏内の住民には避難時に配布する。
 4日は白糠地区避難施設で2回に分けて説明。配布を実施。1回目は住民約70人が参加し、担当者からヨウ素剤の効果や服用方法、原子力災害時の行動などについて説明を受けた上で、問診を経てヨウ素剤が手渡された。避難所で必要な避難者カードと避難車両認識票も同時に受け取った。
 漁師の50代男性は取材に「ヨウ素剤の説明の中身は理解した。使う事態にならないことが一番だが・・・」と複雑な表情。県医療薬務課の奈須下淳課長は「多くの方にヨウ素剤服用の意味を理解してもらい、事前に配布を受けてほしい」と語った。
 県と同村は19日まで、白糠、老部、小田野沢の3地区で事前配布する予定。県は原発30キロ圏内5市町村の住民約7万3千人向けなどに、約43万錠を備蓄している。    (白鳥遼)
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