[2019_07_27_08]女川1号機廃炉に34年 東北電作業計画を公表、29日規制委提出(河北新報2019年7月27日)
 
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女川1号機廃炉に34年 東北電作業計画を公表、29日規制委提出

 東北電力は26日、運転停止中で廃炉を決めた女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市)の廃炉作業の工程を示す「廃止措置計画」を公表した。作業には34年を要し、早ければ2053年度に終える見通しで、費用は約419億円と見積もる。計画に関する認可申請書を29日、原子力規制委員会に提出する。
 東北電は26日、立地自治体の宮城県と女川町、石巻市に対し、安全協定に基づく事前協議を申し入れた。規制委の認可と立地自治体の了解が得られ次第、全4基を保有する東北電としては初めてとなる廃炉作業に入る。
 計画によると、工程は4段階で進める。第1段階(8年、20年度内着手の場合27年度まで)は使用済み核燃料821体を3号機のプールへ搬出。対象施設の汚染状況を調べ、機器や配管の放射性物質を除染する。
 第2段階(7年、〜34年度)はタービンや発電機を、第3段階(9年、〜43年度)は原子炉の圧力容器や格納容器を解体、撤去。第4段階(10年、〜53年度)で原子炉建屋やタービン建屋を解体し、廃炉を完了する。
 使用済み燃料は最終的に、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)へ譲り渡す方針。それまでの保管は燃料プールの容量増加や、金属容器に収めて空冷する「乾式貯蔵」導入を含む貯蔵施設建設などを検討する。
 解体で生じる廃棄物総量は約30万トンと推定。うち低レベル放射性廃棄物は第2段階以降、約6140トンの発生を見込むが、具体的な処分先は決まっていない。
 1号機は1984年に運転を開始。東日本大震災で被災し、東北電は1号機の再稼働を検討したが、運転期間延長に伴うコストや出力規模、安全対策の技術的制約などを考慮し、18年10月に廃炉を決め、同12月に廃炉を届け出た。
 震災以降、全国で廃炉となる原発は21基。東北では東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)全6基に加え、東電福島第2原発(同県楢葉町、富岡町)全4基も廃炉の方向だ。
 東北電は女川2号機を20年度以降、東通原発(青森県東通村)を21年度以降に再稼働させる予定で、規制委の新規制基準適合性審査への対応と安全対策工事を進めている。女川3号機も今後審査を申請する方針。

[女川原発1号機]東北電力が1984年6月に営業運転を開始した。出力52万4000キロワット。東北電が保有する原発4基で最も古く、最も出力が小さい。事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉の国内初期の「マークI型」。東日本大震災発生当日は運転中だったが、冷温停止した。

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