[2021_02_06_03]規制委 横浜断層の審査開始 東通原発 基準地震動を左右(東奥日報2021年2月6日)
 
 原子力規制委員会は5日、東北電力・東通原発1号機(東通村)の再稼働へ向けた安全審査で、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の策定に最も影響を与えるとみられる横浜断層(約15・4キロ)の地震動に主眼を置いた審査会合を初めて開いた。東北電が現時点で600ガルとする基準地震動を見直す必要がないかどうかの判断は、審議の行方が鍵を握りそうだ。
 東通原発の安全審査は、震源として考慮すべき活断層を洗い出す議論を終え、基準地震動の策定へ向けた審議に移った。東北電は5日、敷地の西側でむつ市と横浜町にかけて南北に延びる横浜断層の地震動評価について説明。断層面の傾斜する向きが東西に異なる2パターンの地震を挙げ、それぞれの評価を説明した。
 陸奥湾方向へ進む酉傾斜の形状はこれまでの調査で確認している一方、東北電は、敷地に近づく東傾斜の存在も仮定し評価対象に追加。規制委の審査チームは「東は西より圧倒的に(基準地震動に)効く」とし、東傾斜の審議が基準地震動の策定を左右するとみる。
 大浅田薫・安全規制管理官は「地質調査の結果に基づいて断層の形状や数値を決めるという通常のやり方とは異なるケースなので慎重に判断したい」と指摘。東北電に詳細な追加説明を求めた。
(佐々木大輔)
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