[2023_11_08_01]除染検査に端末活用 むつで県原子力防災訓練(東奥日報2023年11月8日)
 
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除染検査に端末活用 むつで県原子力防災訓練

 県原子力防災訓練が7日、むつ市などで実施された。避難時に放射線量を検査したり簡易除染したりする訓練では、検査の効率化へデジタル端末を初めて試験的に導入した。一方、高波や強風の影響で予定した海路・空路での搬送訓練は実施できず、荒天時の避難方法に課題を残した形だ。
 訓練は東北電力東通原発1号機(東通村)が緊急事態に陥って放射性物質が放出されたと想定。住民約400人を含め、総勢約1100人が参加した。
 ウェルネスパーク(むつ市)での避難退域時検査、簡易除染訓練にはバスなど車両20台を用いた。放射線測定器で車体や住民の衣服などを調べ、放射性物質の有無を確認。検査支援システムを導入したタブレットなどの端末10台に結果を入力し、情報共有。紙で記録した従来の方法から効率化、省力化を図った。
 荒天のため、自衛隊ヘリコプターに傷病者を乗せたり、自衛隊艦船に避難住民を乗せるなどの訓練は中止に。有事の際、同様の気象条件で運航するかどうかは「状況による」(県原子力安全対策課)という。住民への放射線の影響を低減させることが重要なため、「実動部隊を使えない場合は屋内退避だと理解してもらうことが大切」とした。
 訓練を視察した宮下宗一郎知事は報道陣に「最大の課題は下北半島のインフラの脆弱性にある。縦貫道路が早期完成して避難道として機能し、拠点となるむつ総合病院をしっかり整備できて初めて完結的な災害対応ができる」と述べた。
    (佐々木大輔)

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