[2023_11_10_04]24年度完了「厳しく」 東通原発安全工事 東北電青森支店長が認識(東奥日報2023年11月10日)
 
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24年度完了「厳しく」 東通原発安全工事 東北電青森支店長が認識

 東北電力の沼畑秀樹・執行役員青森支店長は9日、青森市内での定例記者会見で、東通原発1号機(東通村)の再稼働に必要な安全対策工事を2024年度に完了させる目標について、「今の検討状況で行くと、厳しくはなっている」との認識を初めて示した。
 東通原発は再稼働に向け、原子力規制委員会の安全審査が続く。10月の審査会合で規制委は東北電に、今後の見通しを示す工程表を提示するよう要請。沼畑支店長は会見で社内の検討状況に言及した上で、「目標自体は見直さない」とした。同社が24年5月ごろの再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県)の審査で得た知見などを生かし、「審査を効率的に進めることで対応したい」と述べた。
 安全審査は、津波対策の目安となる「基準津波」の策定に向けた解析結果が出そろい、次回会合から詰めの議論に移る。一方で設備面の審査は依然として、ほぼ未着手の状態。合格後も工事計画に関する別の審査が控える。
 10月24日には畑中稔朗・東通村長が東北電本店(仙台市)で、樋口康二郎社長に早期の再稼働、具体的な工程の提示を要望。沼畑支店長は「地域の強い期待について、あらためて思いを強くした」と述べた。
 東通原発は東京電力福島第1原発事故前の11年2月、定期検査のため運転を停止した。東北電は再稼働に向けて14年6月、規制委に安全審査を申請。9年以上にわたって地震動や津波高の想定に関する議論が終わらず、21年4月には5回目となる工程延期を発表していた。
    (佐々木大輔)
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