[2021_03_20_16]東電、東通原発1号機の建設見直し先送り(東奥日報2021年3月20日)
 
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東電、東通原発1号機の建設見直し先送り

 東京電力ホールディングス青森事業本部長の宗一誠常務執行役は19日、2020年度中に示すとしていた東電東通原発1号機(青森県東通村)の建設見通しについて「(4社による)共同事業化やプラント設計などを鋭意検討してきたが、年度内の提示は難しい」と述べ、先送りする考えを示した。東電柏崎刈羽原発(新潟県)で不祥事が相次ぎ、中部電力、日立製作所、東芝と共に目指す共同事業化の検討も難航していることから、現時点での提示は困難と判断したとみられる。
 同日、村役場で越善靖夫村長と会談した宗氏は「今しばらく時間をいただきたい」と陳謝した。
 柏崎刈羽原発では今月、核物質防護設備の一部機能が喪失し、一時、外部からの不正な侵入を検知できない可能性があったことが発覚。原子力規制委員会が、安全重要度を4段階評価のうちで最も深刻なレベルに当たるとの暫定評価を出した。IDの不正使用なども明らかになっており、東電の体質が改めて厳しく問われる事態となっている。
 同本部青森事務所の原田知行副所長は県庁で報道陣の取材に応じ、核物質防護不備の問題を「規制委から大変厳しい評価をいただいた。社として非常に重く受け止めている」と語り、見通しを先送りした背景にはこの事案など複数の要因があると説明した。
 共同事業化は、沸騰水型軽水炉(BWR)を扱ってきた4社が19年8月に基本合意書を締結、東通1号機を念頭に協議を進めるとしていた。実現にはハードルが高く、東電関係者は「国内で前例がなく、課題も多い」とする。東通1号機は11年1月に着工したが、同3月の東日本大震災、福島第1原発事故の影響で工事が中断している。
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