[2017_08_08_03]大洗の日本原子力機構での作業員5人のプルトニウム被曝事故 放医研の推計は疑惑に満ちた説明、不自然きわまりない_渡辺悦司(市民と科学者の内部被曝問題研究会)(たんぽぽ舎2017年8月8日) |
参照元
◎ 大洗の日本原子力研究開発機構における作業員の被曝事故に関する私の論考を、京都市民放射線測定所のホームページに掲載していただきました。 「日本原子力研究開発機構大洗事業所での作業員のプルトニウム被曝事故について」 PDFファイル ◎ その後の展開では、放医研は、作業員のプルトニウムの被曝量を、50年で100〜200ミリ・シーベルトだと推計し発表しています(7月10日)。 読売新聞などは、最近、これで、被曝は大したことはないと大騒ぎしています(7月23日全面特集)。 これが疑惑に満ちた説明であることは明らかです。 (1)当初推計は50年間で12Svでしたので、そのおよそ150分の1ということです。 つまり、放医研推計の通りだとすると、肺内には、当初推計の2万2000Bqの150分の1で、およそ150Bqが沈着しているという計算になります。 放医研の評価では、この150Bqを除いた2万1850Bqは、作業員の胸部の皮膚の表面に付着していたのを、当初の測定では、肺内にあると誤って、計測したというのです。 ですが、ちょっと考えてみれば分かるように、防護服を着用していた作業員の胸の皮膚に、2万Bq以上ももプルトニウムが付着し、鼻腔のスミア(付着物)からアルファ線核種が24Bqが実測されているような被曝状況のなかで、作業員の肺内にはわずか150Bqしか沈着がないという状況は、不自然きわまりないと言うほかありません。 (2)また、現在に到るも、7月3日に再々入院した作業員3人の退院報道は、まだ見当たりません。 もちろん密かに退院していれば、知るよしはありませんが、そうだとしてもその報道がないというのは疑問が残ります。 つまり、被曝は「大したことはない」、作業員の「健康に問題がない」といいながら、もう2ヵ月以上も経って入院が続いているということになっているのは、辻褄が合いません。 しかも、それをマスコミがいつの間にかフォローしなくなっているのも、不可思議です。 推測ですが、作業員は半面マスクしかしていなかったので、眼が保護されていませんでしたから、一つの可能性としては、プルトニウム微粒子の角膜や結膜への付着による、眼科的な影響が出ていることも考えられるのかもしれません。 ◎ 福島第一原発事故の健康被害の場合と同様に、あらゆる被曝健康影響を隠蔽し、消し去ろうとする政府・政府側専門家たちの傾向は、この被曝事故の場合にも、はっきりと現れていると言うほかありません。 |
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