[2021_05_21_06]菅政権の企む2つの犯罪 許してはならない! 1.老朽原発再稼働、2.汚染水の垂れ流し許せば、全原発の60年運転、全核施設からの放射性物質汚染水放出の恒常化に道を開く! (下) (了)| 人の命や安全を蹂躙する政府と東京電力 木原荘林(老朽原発うごかすな!実行委員会)(たんぽぽ舎2021年5月21日)
 
参照元
菅政権の企む2つの犯罪 許してはならない! 1.老朽原発再稼働、2.汚染水の垂れ流し許せば、全原発の60年運転、全核施設からの放射性物質汚染水放出の恒常化に道を開く! (下) (了)| 人の命や安全を蹂躙する政府と東京電力 木原荘林(老朽原発うごかすな!実行委員会)

 政府は、放射性物質が残存する汚染水は、再度処理するとしていますが、どの程度とれるかは疑問です。
 一方、最近、ALPSでは取り除けない炭素14(14C:156 keVのベータ線を出して崩壊:半減期5730年)が問題視されています。
 東電が出した2014年の資料では「14Cは検出されず」となっていましたが、データを再検討した結果、その存在が浮かび上がったのです。14Cはあらゆる有機物に組み込まれます。
 生体内ではDNAにも取り込まれ、これを損傷します。半減期が長いので、環境へ影響を及ぼし続けます。
「風評被害」だけではなく、実際の被害が発生する危険性も大です。

◎人の命や安全を蹂躙する政府と東京電力

 汚染水の垂れ流しを画策する政府や東電は、汚染水の放出が、漁業に携わる人々の生活を蹂躙し、現在だけでなく未来の人々までもの命と健康をむしばみ、世界の人々に不安を与えることを全く無視しています。
 このことは、麻生財務相の「飲んでも何てことないそうだ」という思いあがり発言1つをとっても明らかです。
 しかも、汚染水を垂れ流そうとしている東電は、コンプライアンス(法令遵守)の姿勢が全く感じられない企業です。
 その象徴的な出来事は、東電柏崎刈羽原発での核防護不備です。
 この原発では、昨年3月以降、計15ヶ所でテロ目的などでの侵入を検知する設備が故障したままになっていました。
 また、今年1月には、所員が同僚のICカードを不正に使って、中央制御室に入っていたことも判明しています。
 そのため、原子力規制委員会は東電柏崎刈羽原発に運転停止命令を出しています(4月14日)。
 こんな政府と東電が、汚染水を垂れ流そうとしているのです。
 許してはなりません!

報告とお礼
 老朽原発うごかすな!実行委員会は、緊急現地行動として、4月12日、高浜原発4号機再稼働抗議行動(約30人参加)を展開し、4月14日、福井県会議員の美浜原発視察に対して、同原発前で抗議・要請行動(8人参加)に起ちました。ご参加ご支援いただきました皆様に感謝し、お礼申し上げます。

※「環境中のトリチウム出所」
1.自然界で生成したもの
 宇宙線(中性子、陽子)が大気中の窒素や酸素と核反応してトリチウムが生成します。
 14N + 1n → 3H + 12C   16O + 1n → 3H + 14N
2.過去の核実験で大量に放出され、今でも残っているもの
3.原発や核燃料再処理工場などの原子炉関連施設から放出されたもの【核燃料の冷却水に含まれる重水素(0.015%)に中性子が吸収されてもトリチウムは出来ます。】

※「トリチウムの性質」
1.トリチウム(3H;陽子1個、中性子2個、電子1個で構成)は、化学的には普通の水素(1H;陽子1個、中性子0、電子1個で構成)とほぼ同じように挙動しますから、水や有機物(例えば、体内のDNAやタンパク)とも水素の代わりに結合します。
2.弱いベータ線(18.6keV;eVはエレクトロンボルトというエネルギーの単位)を出してヘリウム3(3He)に変わります(半減期;12.32年)。
 このエネルギーの放射線は、紙1枚で遮蔽できます。→このことは生体内に取り込まれたトリチウムがベータ線を出すと、そのエネルギーの全てが体内で吸収されることを意味します。
 エネルギーが弱いといっても、生体内のDNAやタンパクの結合エネルギーは0.01eV程度〜数eVであり、これに比べれば、18.6keV(=18600eV)は数万倍以上であり、このベータ線が生体内で1つ出れば(内部被曝)、原理的にはDNAやタンパク中の化学結合が数万も切断(損傷)されることになります(発癌要因になる)。
 ただし、DNAやタンパクには修復能力がありますから、トリチウムの濃度が薄い場合には、損傷したDNAやタンパクは修復されます。
 しかし、修復能力以上にトリチウムが生体内に取り込まれたときには、発癌します。
KEY_WORD:汚染水_:MIHAMA_:TAKAHAMA_:KASHIWA_: